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[早スポ]まさかの敗戦。リーグ戦優勝の夢、ついえる

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[早稲田スポーツ ゲキサカ版]

 関東大学リーグ戦(リーグ戦)も残すところあと3試合。対戦相手は、これまで後期無敗をキープしている強豪・明大。ここで勝利を挙げることができれば、わずかながら残されている優勝の可能性がさらに高まる。絶対に負けられない。選手たちも気合十分で臨んだが、早々と先制点を献上してしまう。後半はさらに追加点を許し、勢いを増す明大。その後粘りのプレーで1点を返し猛追を仕掛けるも、無情にもタイムアップ。まさかの敗戦を喫し悲願のタイトルへの可能性が消滅した。

 「自分たちも数多く決定機がありましたが決められなかった」(MF奥山政幸、3年=名古屋U18)。最初のFW山内寛史(2年=國學院久我山高)のシュートからなかなかチャンスを演出できない早稲田大(ワセダ)。対して明大は、落ち着いたパス回しと素早いプレスで徐々に自分たちのペースをつかんでいく。そして25分、試合は動いた。一瞬の隙を突かれハーフライン付近からドリブルでの突破を許すと、あっさりと先制点を奪われてしまう。それでも失点直後、FW宮本拓弥(3年=流通経済大柏高)、MF堀田稜(3年=浦和ユース)が立て続けに得点のにおいを感じさせた。惜しくもゴールには結びつかなかったが、エンジイレブンの気持ちが折れていないことを見せ付ける。ここからは互いにほとんど得点機をつくれず、0-1のまま前半を折り返す。

 後半に入っても試合は明大ペース。セカンドボールを拾えない上、球際でも競り勝てず相手陣地でプレーすることができない時間帯が続いた。67分には宮本に代わり、FW上形洋介(4年=早稲田実高)を投入。試合展開に変化を入れつつ、チーム一丸となってゴールを狙う。しかし74分、CKのこぼれ球を押し込まれ0-2とされさらに苦しい展開に。「チャンスがあれば(ゴールを)決めてやろうと思っていました」(DF金澤拓真、3年= 横浜F・マリノスユース)。この7分後、右サイドからMF近藤貴司(教4年=三菱養和SCユース)がファーにクロスをあげると、金澤がうまく走り込みヘディングで合わせ、ネットを揺らした。これで波に乗ったワセダは『らしさ』を取り戻していく。しかし残り時間は10分強。なんとか追いつこうと、MF近藤洋史主将(4年=名古屋U18)も強烈なミドルシュートを放つがゴールを割れず。執念で連続CKを獲得するも、これも決め切れない。結局点差を詰められないまま試合終了。逃げ切った明大に軍配が上がった。

 ピッチ上でうつむく選手たち。その姿がすべてを物語っていた。優勝への細い綱を手繰り寄せることができなかったワセダ。シュート本数はワセダが6本なのに対して、明大が8本とその差はほとんどない。響いたのは少ないチャンスをものにする決定力の違いだろうか。だが、ここで立ち止まっている暇はない。「次の専大戦に勝つことで過去を超えるということになる」(近藤洋主将)、「慶大に関しても早慶ということで絶対に負けられない試合」(堀田)。残り2試合、勝たなければならない理由がある。歩みを止めず、一勝でも多く――。エンジの真価が試される。

[写真]悲願のタイトルにはまたしても届かなかった

(記事 佐藤凌輔、写真 辛嶋寛文、桝田大暉)

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