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[関東2部]早慶戦で1G2Aの圧巻パフォ、横浜FM内定慶大FW塩貝健人が今季10番ではなく9番を選んだ理由

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早慶戦で1G1Aを決めたFW塩貝健人

[4.28 関東大学L2部第3節 早稲田大1-4慶應義塾大 早稲田大G]

 ピッチ内でみせる個の違いは明らかだった。FW塩貝健人(2年=国学院久我山高/横浜FM内定)は2得点をアシストして迎えた後半34分、前に出ていた相手GKの頭上を抜くループシュートを決めてダメ押し点を記録。3年ぶりの開催となったリーグの早慶戦を大勝に導いた。

 ただ気温が高い中で行われた前半はあまり体が動かなかったと振り返る。「涼しくなってからはボールが入るようになって点も取れて、アシストもできたけど、全体としては普通だったかなと思います」。ポーランド代表FWロベルト・レバンドフスキ(バルセロナ)を思わせたゴールパフォーマンスについては、昨年まで早稲田大に在籍したFW奥田陽琉(現レイラック滋賀FC)の真似だったことを明かしてはにかんだ塩貝だが、自身の出来については淡々と振り返っていた。

 昨年は1年生ながらエースナンバー10を背負った塩貝だが、今年は9番を自ら選んでプレーしている。

 理由については「いろいろある」と話すが、「一番大きいのは今年はストライカーになりたいということ」だという。「去年はドリブルとかいろいろやっていたけど、今年は点を取ることだけにフォーカスしたい。サッカー的にも最後の決定的な仕事をするのが今年の役割だと中町さん(監督)にも言われているので、9番が相応しいと思いました」。ルーキーイヤーに3部リーグで記録した15得点には納得がいっていないということだ。

 そしてここでもライバル視する同学年のU-23日本代表FW内野航太郎(筑波大)の名前が出てくることになる。リーグ開幕前に内野が今年は大学で背番号9をつけることを耳にした。「めっちゃ仲はいいんですけど、デンソー(カップチャレンジ)でも差を感じる部分はあった。ライバル視ではないですけど、俺も9番だっていう感じです」。ファン垂涎の切磋琢磨がある。

 大学のリーグ戦は出場2試合で4得点2アシストと好発進を決めたが、「もうちょっと取れた」と現状に満足はない。「J1を経験したからとかはないけど、出たからにはふさわしいプレーをしないといけない。実績に伴うような実力を出そうと思っています」。

 横浜FMでは登録外となっているAFCチャンピオンズリーグだが、先日は死闘となった準決勝第2戦を現地で生観戦した。今週は早慶戦が優先となったが、「昨日の試合(C大阪戦)も行きたかった」と、横浜FMへの意識も日に日に高まっているようだ。「アウェー?それもあまり関係ないと思っていて、呼ばれれば(考えたい)」。大学生の枠に収まり切らない才能。今後の動向から目が離せそうもない。

(取材・文 児玉幸洋)

●第98回関東大学リーグ特集
児玉幸洋
Text by 児玉幸洋

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