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[MOM946]国士舘大FW東川続(4年)_痛恨失敗から1週間、「怖かった」PKでハットトリック達成!!

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FW東川続がハットトリック

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[5.4 関東大学L1部第4節 日本大 3-4 国士舘大 味フィ西]

 国士舘大のFW東川続(4年=四国学院大香川西高)が4日の関東大学リーグ1部第4節・日本大戦(○4-3)で、会心のゴールショーを見せた。前節のPK失敗から1週間、ハットトリックを達成する3点目はその悔しさを晴らす豪快なPK弾だった。

 東川は4月27日の東京国際大戦でPKキッカーを務めるも、“パネンカ“と呼ばれるチップキックで放ったボールは枠の上に飛んでしまった。チームは1-2の1点差で敗れ、責任を感じた東川は「結構落ち込んでいた」という。

 それでも東川は日本大戦で奮起し、前半に今季初ゴールを含む2得点を決めてチームに流れをもたらす。すると2-1で迎えた後半34分、国士舘大は相手のハンドでPKを獲得する。ボールをセットしたのは、東川だ。

 1週間前にPKを失敗したばかりの本人は「怖かったので、蹴りたくはなかった」と明かす。ただその気持ちを払拭したのはチームメイトからの信頼とこの1週間の取り組みだった。前節の失敗後は仲間から励ましの言葉を受けたといい、この日のPK獲得後も迷いなくキッカーに推薦してくれた。また、東川自身も今節を迎えるまでに自主練習などを通じて自信を高めたといい、「これで外したらもう仕方ない」という強い気持ちでペナルティースポットに立つことができていた。

 主審が笛を吹くと、東川はゴール右へ力強く蹴り込む。ボールは完璧な軌道でサイドネットに突き刺さり、歓喜の瞬間を迎えた。大学では自身初だというハットトリック。東川は「恩返しできた」とチームメイトやスタッフへの感謝を示した。

 東川はこの日だけで昨季記録したリーグ戦2ゴールを上回った。東川が目指すのは、1学年上で今季より東京ヴェルディに加入したFW古川真人を超えること。「あの人がいたから今の僕がある」と師弟関係を伺わせると、古川が記録した昨季の7得点、そして一昨季の9得点を上回る活躍への意欲を示した。

 それでも、最上級生としてチームを引っ張るなか、つねに意識するのは目の前の一戦に全力で臨むことだ。ジュビロ磐田でプレーした父・東川昌典さんと進路について話した際、「目の前のことをまず(全力で)やって、そのときについてきたのがプロという形でいいんじゃないか」と金言を受けたことを明かし、今季への向き合い方に影響を受けたという。これは数字の面でも同じで「長い目でやるのはちょっと苦手」と話すと、「1試合1試合を全力でやって結果がついてきたらいい。積み重ねた先にマナくん(古川)を超える記録が出たり、チームの優勝があったりすればいいかなと思う」とコメントした。

 次節は開幕4連勝を飾った明治大との大一番だ。東川も「やっぱり明治を倒さないと優勝争いできない」と重要性を感じており、実直なストライカーは“良い雰囲気を作れている”国士舘大が一丸となって臨むことを誓っている。

FW東川続はPK前に仲間から激励を受けた


PKはGKの逆をつき、サイドネットに突き刺さる


(取材・文 加藤直岐)

●第98回関東大学リーグ特集

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