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[総理杯予選]桐蔭横浜大が青山学院大を下す!!指揮官「不細工だけど素晴らしいゲーム」

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[5.18 第35回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦Cブロック・1回戦 青山学院大0-1桐蔭横浜大 緑が丘]

 大学日本一を決める第35回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの関東代表決定戦が18日に各地で開幕した。神奈川県・青山学院大の緑が丘グラウンドでは2試合が行われ、第1試合では関東1部リーグの青山学院大と同2部リーグの桐蔭横浜大が対戦。桐蔭横浜大がFW藤城裕太(3年=浜松開誠館高)の1点を守りきり、1-0で勝利して、2回戦進出を果たした。

「かっこいい試合ではないし、不細工ですけど、うちにとっては素晴らしいゲームでした」。桐蔭横浜大の八城修監督は試合後、満足した様子で語った。1部所属チーム相手に先制し、とにかく守りきっての勝利。攻め込まれて耐える時間が長く続いた。スマートな勝利とはいかなかったが1回戦突破を決めたことに価値がある。直近の15日に行われたリーグ戦の第3節・城西大戦(0-1)から中2日で行われた今大会では、先発11人全員を入れ替えた。しかし、八城監督はこの起用を温存ではなく「リーグ戦から日にちがなかったので、あくまで勝ちに行くためのメンバー」と強調。そんな監督の起用に選手たちが応えてみせた。

 立ち上がりから桐蔭横浜大が魅せる。前半3分、PA右手前でMF小林誠(3年=新潟ユース)がヒールパス。左サイドを抜け出したMF坪井秀斗(1年=習志野高)がゴール前までドリブルで進入するが、放ったシュートはサイドネットに外れた。その後は相手のロングボールを主体としたサッカーに押し込まれ、チャンスをつくることはできない。しかし、CBの二人が奮闘。普段のリーグ戦ではメンバーに入らず、学生審判を務めているDF久保昌成(3年=桐光学園高)とDF秋元大喜(3年=習志野高)が相手ボールを跳ね返す。「普段は二人でラインマンをやってます」(久保)と話す通りの審判で培った“コンビネーション”で相手の攻撃の芽を摘んだ。

 守りの時間が続いたが前半45分、DF阿部真成(3年=常葉橘高)が奪ったボールからカウンター。FW土屋健太(4年=秋田商業高)からのボールを藤城が受ける。「相手のDFの枚数が少なかったので、味方のFWの動きを見ていたら、いいトラップができた」(藤城)。足元にボールをつけて、PA内で前進すると左足を一閃。ゴールネットへ突き刺して、先制点を決めた。

 1点リードで迎えた後半には、青山学院大の猛攻を受ける。後半20分過ぎには、左サイドを崩されて立て続けに決定的なピンチを迎えるがGK大場浩哉(4年=仙台ユース)がこれをストップ。大学サッカー4年目にして公式戦2試合目の出場となる守護神が好セーブを連発した。また、後半から投入されたルーキーのMF岡本洵(1年=広島ユース)が「監督に言われたとかじゃなくて、流れも良くなかったので」と自らの判断で前線から果敢にボールを奪いにいき、相手の脅威となった。同29分には小林に代わって、主将のDF関田寛士(4年=流通経済大柏高)が出場。普段はCBとして出場しているチームリーダーが中盤へ入り、ゲームを締める。そのまま逃げ切った桐蔭横浜大が青山学院大に1-0で勝利し、金星を挙げた。

 試合後、八城監督は「普段は0-0で耐えられない部分を今日は耐えることができた。普段出られない悔しさや、こういう環境でできる喜びをしっかり表現して、一体となってやってくれた」と微笑んだ。桐蔭横浜大は26日に行われる2回戦で、関東1部リーグの早稲田大と対戦する。

 一方、敗れた青山学院大も相手同様にリーグ戦から中2日という影響で、主力を一部温存して試合に臨んだ。しかし、前半の1失点が決勝点となっての敗戦。後半17分には15日のリーグ戦で1得点1アシストの活躍をみせたMF関隼平(4年=國學院久我山高)、同32分にはリーグで3戦2得点を挙げているFW忰山翔(4年=鹿島ユース)をピッチへ送るが、流れは変えられず。まさかの敗戦となった。

 主将のDF阿部悠紀(4年=湘南ユース)は「上手くいかないときこそ、ポジティブなチャレンジをしていかないといけない。今日はそれが少ないゲームだった。攻守の切り替えや球際の激しさだったり、やらなくちゃいけないことを徹底できていないと、こういうゲームになってしまう」と敗戦を悔やんでいた。

(取材・文 片岡涼) 

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