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[総理杯予選]互いに4発の激しい打ち合い、東海大はPK戦の末に松蔭大に勝利!!

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[5.18 第35回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦Cブロック・1回戦 松蔭大4-4(PK6-7)東海大 緑が丘]

 第35回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの関東代表決定戦が18日に行われ、青山学院大・緑が丘グラウンドの第2試合では神奈川県リーグ所属の松蔭大と関東2部リーグ所属の東海大が対戦した。試合は1-3から松蔭大が一気に追いつき、延長戦にもつれ込む。延長戦でも互いに1点を加えて勝負はつかず。4-4で突入したPK戦の末に、東海大が7-6の勝利を収めた。

 激しい点の取り合いとなった。前半15分、DF田中大二郎(4年=滝川二高)がPKを決めて東海大が先制した。その後は互いにチャンスをつくるも決めきれず、東海大が1点のリードを守ったまま前半を終了した。そして迎えた後半、試合は大きく動き出す。後半7分、松蔭大のMF中野涼(3年=作陽高)のFKにDF久永竜成(1年=ヴェルディSS相模原)が頭で合わせて、同点に追いつく。しかし、そこから東海大が3分間で2得点を決めて松蔭大を突き放した。まずは後半11分、PA手前右で獲得したFKをDF貫場友介(4年=水橋高)が直接ゴール左隅に突き刺して2-1。2分後には、PA手前左でボールキープしたMF小高健太(4年=東海大付浦安高)からのパスを中央で受けたFW忍穂井大樹(3年=鹿島学園高)が右足シュート。東海大が3-1とリードを広げた。

 その後は互いに攻め合う時間が続くが、奮闘をみせたのが松蔭大のルーキーMF吉濱遼平(1年=大師高)だった。果敢にドリブル突破を仕掛けていくと、ここから2得点1アシストの活躍。後半32分、DF小林洋平(3年=駒場学園高)のクロスの処理をGKがミス。ゴール正面でこぼれを拾った吉濱がドリブルから右足を一振りして、シュートを決めた。1点差に詰寄ると、同41分にはアシストで同点弾をお膳立て。中野の左CKをショートコーナーで受け、ドリブルキープからゴール正面へクロスを入れた。正確なボールは主将のFW吉岡裕詩(4年=麻布大附淵野辺高)の頭にミートして、3-3の同点ゴールが決まった。試合は10分ハーフの延長戦へもつれ込んだ。

 延長戦に入っても吉濱の勢いは止まらない。延長前半を3-3のままに折り返し、迎えた延長後半の開始わずか12秒、吉岡からゴール正面でボールを受けると、ドリブルでPA内へ進入。マークをずらして左足を振りぬくと、逆転ゴールが決まった。一時は2点差だった試合を4-3にひっくり返した松蔭大は勢いづく。しかし、東海大が関東リーグ勢としての執念をみせた。延長後半終了間際の9分、DF小山真司(2年=前橋育英高)の左クロスを忍穂井が頭で流す。最後は途中出場のルーキーMF野口大輔(1年=広島ユース)が頭で押し込んだ。

 4-4でPK戦に突入。互いに外すことなく迎えた7人目。先攻の東海大、小山のシュートはGK牧田貴之(1年=ヴェルディSS相模原)がストップ。後攻の松蔭大へプレッシャーをかける。しかし、小林のシュートはGK山崎友斗(3年=岡山学芸館高)がしっかりストップ。両者譲らず、8人目のキッカーへ。東海大のキッカーは守護神・山崎。ゴール左へ冷静に決めた。一方、松蔭大のDF田渕元(3年=光明学園相模原)の放ったシュートはクロスバー上方へ外れ、その瞬間に東海大の初戦突破が決定した。

 試合後、東海大の田中主将は「どこかで勝てるだろっていう気持ちがあったと思う。そういう気持ちが甘かった」と一言。「3-4にされた瞬間は本当に焦りました。でもここでは負けられないと思った」と、なんとか逃げ切っての勝利にほっとした表情をみせた。東海大は26日に行われる2回戦で関東1部リーグ所属の駒澤大と対戦する。

 一方、敗れた松蔭大は神奈川県大会で初優勝を果たし、今回が初の関東大会出場だった。そのような中で、関東リーグ勢をあと一歩のところまで追い詰めたことは大きく評価できるはずだ。しかし善戦といえる結果にも吉濱は「負けるとは思ってなかった。(1部の)駒澤大や早稲田大にも負けるとは思わない」とキッパリ。敗戦にも悔し涙ひとつ見せることなく「これからも全国を狙っていきます。自信だけはあるので!」と前を向いた。

[写真]競り合いをみせる忍穂井(左)

(取材・文 片岡涼) 

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