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[関東1部]エース不在の慶應義塾大、冷や汗の4発勝利

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[5.21 関東大学1部リーグ第4節 慶應義塾大4-3専修大 江戸川]

 21日、第85回関東大学サッカーリーグ1部前期第4節第1日の4試合が行われ、東京都江戸川区の江戸川区陸上競技場の第2試合では慶應義塾大が専修大との撃ち合いを4-3で制し、今季2勝目を挙げた。

 この日の慶大は清水エスパルス加入内定の全日本大学選抜MF河井陽介(4年=藤枝東高)が前節・青山学院大戦で負った右太ももの打撲により欠場。エース不在の一戦となったが、攻撃陣が怒涛の先制攻撃で専大守備陣を攻略する。まずは前半6分、1年生MF武藤嘉紀(F東京U-18)が相手DFとの1対1を突破すると、カバーに来たDFをさらに2人かわしてゴールへと押し込む圧巻の先制弾。さらに16分にも左サイドの武藤が個人技でDFを外してから出したラストパスをMF日高慶太(4年=桐蔭学園高)が決め、追加点を奪う。

 止まらない慶大は2分後にも中盤で2人を外した日高の突破からMF藤田息吹(3年=藤枝東高)が決めて3-0。26分にもスルーパスでGKと1対1となった武藤が一度シュートをGKに阻まれながらもゴールへねじ込みリードを4点へと広げた。スタンドから観戦していた河井も「素晴らしい攻撃でした」と脱帽していたほどの破壊力。ただ、試合後に須田芳正監督が「サッカーをしていたのは25分まで」と指摘していたように、この後慶大は専大の激しい追撃を許してしまう。

 27分に専大FW長澤和輝(2年=八千代高)にゴールを許すと、完全に運動量の落ちた後半は大半の時間を自陣で過ごすことに。カウンターから武藤や日高の個人技、交代出場のSB赤木努(3年=大宮ユース)のオーバーラップなど交えて決定機もつくり出したが、交代出場のMF山浦新(1年=東京Vユース)のドリブル突破から武藤が放った右足シュートがクロスバーを叩くなど、ゴール前で正確性を欠く場面や判断のズレが見られ、試合を決めることができない。

 一方、後半開始から右SB館坂信也(桐光学園高)とMF星野有亮(静岡学園高)の両1年生を投入した専大は同じく1年生のMF仲川輝人(川崎F U-18)が個人技で局面を打開したほか、館坂のロングスローや190cmの大型ストライカー、FW大西佑亮(3年=鹿島ユース)の高さで慶大ゴールを脅かす。慶大は長澤の決定的なシュートをGK中川翔太(4年=國學院久我山高)のビッグセーブで防ぐなど追撃をかわそうとするが、専大は後半18分に大西のヘディングシュートがゴール右ポストを叩いたこぼれ球を仲川が押し込み2-4。そして40分にはゴール前での混戦から星野が左足シュートを叩き込み、ついに1点差に迫る。

 専大はロスタイムにFK、CKのチャンスをつくりゴールへとなだれ込もうとする。だが、仲川がGK不在のゴールへ放った決定的な左足シュートをDFが身体を張ってクリアするなど集中力を切らさなかった慶大が泥臭く1点リードを守りきった。

 エース不在の中で開幕戦以来の勝ち点3を獲得した慶大だが「決めきれずに厳しい結果にしてしまった。自分がもっとやっていれば」と武藤が首を振ったように、課題も残る一戦だった。試合終了の笛にも選手たちの表情は冴えず。「最初の25分だけ。あとは寝ていた」と厳しい言葉もあった試合の反省点を、河井も復帰する予定の次戦につなげるしかない。

(取材・文 吉田太郎)

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