beacon

[関東]“スーパーゴール”2発から大爆発、中央大が後半5発で駒澤大下す!

このエントリーをはてなブックマークに追加

[9・17 関東大学リーグ1部第11節 駒澤大2-5中央大 西が丘]
  
 JR東日本カップ2011第85回関東大学リーグ戦1部は17日、東京・西が丘サッカー場で第11節第2日目の2試合を行った。第1試合では8位の駒澤大と10位・中央大が対戦。0-2の後半14分から大量5得点を奪って逆転した中央大が5-2で勝ち、暫定8位へ浮上した。

 “スーパーゴール”2発で形勢をひっくり返した。今季2勝4分4敗と苦戦の続く中央大は前半4分に全日本大学選抜MF六平光成(3年=前橋育英高)、同7分にMF渡部一平(4年=桐光学園高)が決定的なシュートを放つが、仕掛けどころでバックパスを選択してしまうなど大事に試合を運びすぎてリズムを自ら逸してしまう。

 逆に少ない手数でシュートにまで持ち込んでくる駒大は10分、CF山本大貴(2年=ルーテル学院高)が前方へ流したボールに走りこんだ全日本大学選抜FW湯澤洋介(3年=矢板中央高)の右足シュートがゴールを捉える。これはGK岡西宏祐(3年=山梨学院高)の好守に阻まれたものの直後の12分、全日本大学選抜CB林堂眞(4年=習志野高)からのパスを受けた湯澤が、寄せの甘い中大DF陣の間を縫うように左サイドから仕掛けてドリブルシュート。これがゴール右隅を破り、駒大が先制した。山本をターゲットに徹底して相手ディフェンスラインの背後を狙い、林堂の無回転FKがゴールを襲うなど、少ないチャンスをものにしようとする駒大は、後半3分にも湯澤の右クロスをMF碓井鉄平(2年=山梨学院高)が頭で押し込み、2-0とリードを広げる。

 苦しい展開となった中大だったが後半11分にU-22北朝鮮代表のFW安柄俊(3年=東京朝鮮高)とMF澤田崇(2年=大津高)を同時投入。安が「リズムが良くなかったので自分と澤田の2人で仕事しようと。いい結果を出すことができた」と振り返ったように、彼らが決めた連続ゴールが重い空気を打ち消した。まずは14分、右サイドのタッチライン際でパスを受けた澤田が、ドリブルで中央へ切れ込んで左足シュート。ゴールの予感のしないような位置から強引に仕掛けて放った一撃だったが、狭いニアサイドを強烈に破る鮮烈ゴールとなった。

 これで勢いづいた中大はさらに16分、左SB高瀬優孝(2年=埼玉栄高)が相手右CBの背後へ絶妙なボールを落とすと走りこんだ安柄俊が迷わずにダイレクトで左足を振りぬく。20m強の強烈な一撃がゴールへ吸い込まれて同点。交代出場の2選手による連続ゴールで試合を振り出しに戻した中大は19分、MF田仲智紀(3年=浦和ユース)の右CKをCB岡崎亮平(1年=湘南ユース)が肩に当てると、ボールはニアサイドの全日本大学選抜CB大岩一貴(4年=中京大中京高)の目前へ。「目の前に来たので押し込むだけだった」という大岩が難なく頭で勝ち越しゴールを決めて6分間で試合をひっくり返した。
 
 止まらない中大は渡部、田仲の両ボランチらが前半拾うことのできなかったセカンドボールを制圧。前線のFW林容平(4年=浦和ユース)、安を起点に田港周平(4年=桐光学園高)と高瀬の両SBがオーバーラップから決定機に絡むなど、中央・サイドから怒涛の攻撃を繰り出す。そして27分、右サイドへ飛び出した林のクロスが相手DFのオウンゴールを誘い、4-2。試合終了間際にも澤田の絶妙なパスで抜け出した林がダメ押しゴールを奪った。

 今季リーグ戦最多の5得点をマークした中大。暫定ながら全日本大学選手権(インカレ)出場圏内の4位との勝ち点差を4へ詰めた。佐藤健監督は「(結果として5ゴールにつながったが)まだ行き当たりばったりでやっている。意識してその通りにできてくると、もう一つ上に行ける」。もう一段階レベルを上げてさらなる上位へ。主将の大岩は「インカレしか見ていない。一歩ずつ順位を上げていけるように。そして最後笑っていたい」。リーグ戦ではなかなか結果が出なかった総理大臣杯準Vチームの中大が、大逆転勝利を巻き返しのきっかけとする。

[写真]後半16分、中央大・安柄俊が同点ゴール
(取材・文 吉田太郎)

TOP