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[関西]G大阪加入内定の阿部が脅威の4発!関西学院大が後期初戦を6-0発進

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[9・23 関西学生1部後期第1節 関西学院大6-0立命館大 太陽が丘球技場B]

 第89回関西学生サッカーリーグ戦1部は23日、後期が開幕。京都府宇治市の山城総合運動公園太陽が丘球技場Bで第1節2試合を行った。前期5位の関西学院大は8位・立命館大と対戦。ガンバ大阪加入内定のMF阿部浩之(4年=大阪桐蔭高)の4ゴールとFW三ノ宮健介(3年=G大阪ユース)の2発により6-0で大勝した。

 前半17分、関学大は阿部のスルーパスで三ノ宮が抜け出すと、最後はこぼれ球を阿部が豪快な右足ボレーで先制ゴール。拮抗した展開だった序盤からエースの一撃で試合の流れを傾けると、36分にはMF梶川諒太(4年=関西学院高)の左CKのこぼれ球をファーサイドで拾った阿部が反転からの右足シュートをゴールへ押し込んだ。

 関学大はその直後にも縦パスで抜け出した阿部がDFを鋭い切り返しで外してGKと1対1になったほか、両SBの攻撃参加で数的優位をつくり出すなど、一方的な展開に。そして43分には阿部らが乱れのない動きと正確なボールタッチ、パスで中央を鮮やかに切り崩すと、最後はPAまで走りこんでいたSB津田真吾(4年=名古屋U18)の右クロスを三ノ宮が頭で押し込んで3点差で前半を折り返した。

 前半9分にMF戸高弘貴(2年=静岡学園高)のラストパスからMF雨森理亮(4年=京都U-18)が決定的な右足シュートを放つなどチャンスもあった立命大は、後半から2選手を入れ替えて反撃。主将のFW藤田浩平(4年=神戸国際大附高)がボールに絡む回数を増やし、戸高の個人技を活かすなど攻撃を展開しようとする。だが次の1点を奪ったのは再び関学大。後半19分、右サイドからMF井林章(3年=広島皆実高)の出したパスに反応した阿部が左足シュートをゴールへ叩き込み4-0へリードを広げる。中盤左サイドでチャンスメーカー役を務めることの多かったこれまでから、フィニッシャーとしての脅威を発揮する阿部はさらに26分、梶川のスルーパスから強烈な右足シュートをゴールへねじ込み4得点の大爆発を見せた。

 28分にも梶川のラストパスから三ノ宮がループシュートを決めて今季最多の6ゴールとした関学大。一方の立命大は後半33分に藤田の右クロスをFW坂本一輝(3年=野洲高)が技ありの左足ボレーで合わせたが、GK一森純(2年=C大阪U-18)の好守に阻まれて無得点に終わった。

 衝撃的なスコアでの発進。ただ関学大は至って冷静だった。成山一郎監督は「上手くいく時はいいけど、ダメな時すごく波のあるチーム。上手くいかないときどうするか」。今年は阿部や東京ヴェルディの特別指定選手としてすでにJデビューも果たしている梶川を筆頭にタレント揃う世代。例年以上に力があるのは間違いない。ただ夏の総理大臣杯は関西予選で姿を消し、J撃破を期待された天皇杯は兵庫県予選決勝で三洋電機洲本に2-3で敗れて同じく全国の舞台に立つことができなかった。

 それだけに主将の桑野裕士(4年=県伊丹高)は「今までは自分たちの理想を求めすぎて、勝つことよりも、局面局面ばかり見てしまって上手くいかない時があった。バラバラになった時に脆いのでいかに続けるか」。この日も勝つこと、自分たちの力を発揮することへ集中していた。試合を控えた一週間、紅白戦ではサブ組が勝利にこだわって気迫十分の戦いを見せるなどレギュラー組を追い込んだ。「きょうの相手よりも紅白戦の方がプレッシャーが厳しかった」というほどの調整を経て臨んだチームは、6ゴールを奪った一方でゲーム主将のCB高橋宏次郎(4年=広島皆実高)を中心に相手をシュート2本に封じる堅守。上手くいかない時に「はまって」しまい、抜け出せなくなってしまっていた弱さは克服されるか。快勝に安どするのではなく、関学大は「続けること」へ意識を傾けている。

(取材・文 吉田太郎)

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