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[ケイスポ]宿敵を撃破し、悲願のインカレ出場権獲得!!:筑波大戦

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[慶應スポーツ ゲキサカ版]
[12.4 関東大学1部リーグ戦・後期リーグ第22節 慶應義塾大1-0筑波大 駒沢]

 関東大学サッカーリーグ1部は4日に第22節を行い、慶應義塾大は長年勝利できていない宿敵・筑波大と対戦し、1-0で勝利した。この結果1部リーグ3位となった慶大は9年ぶりに全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)の出場権を獲得した。

 自力でインカレ出場権を獲得するには勝利しかない慶大は、開始直後から攻勢に出る。すると5分、ゴール前で抜け出したFW風間荘志(4年=暁星高)がバックパスを出し、受けたMF河井陽介(4年=藤枝東高)が左フリーのMF日高慶太(4年=桐蔭学園高)にラストパス。このボールを日高が冷静に蹴り込み幸先良く先制する。さらに早めに追加点を奪い、流れを掴みたい慶大は13分、CKのこぼれ球を拾った河井のクロスをファーサイドのDF黄大城(4年=桐生第一高)が落とし、DF笠松亮太主将(4年=東京Vユース)がダイレクトでシュート。しかしこれはバーを越えてしまう。

 一方の筑波大も直後の14分、風に乗った裏へのボールを拾いチャンスになるも、ここは慶大DF陣に対応されチャンスをものにできない。そんな中、中盤で守備を固めてくる筑波大に対し慶大は河井が下がってボールを受け、リズムを作る展開に。しかし決定的なチャンスは作れない。だが迎えた前半アディッショナルタイム、筑波大が前がかりになったところでMF藤田息吹(3年=藤枝東高)が中盤でボールを奪うとカウンター。4対3の数的優位の状況で中央のFW大塚尚毅(4年=滝川第二高)にスルーパスが出るが、これは大塚が反応できず、1-0で前半を折り返した。

 勝利するためには、相手を意識しない戦いが求められる後半。「自分たちのサッカーをしようという意識」(笠松)がこの日のイレブンにはあった。この試合では本来の2トップの一角ではなく、サイドに張り出していた風間がチャンスを創出する。8分、左サイドを突破した風間がクロスを上げ、ファーサイドで受けた日高がDFを交わしてシュート。決定的な場面だったが、惜しくもバーに弾かれてしまう。すると59分、今度は筑波大がペナルティエリア内の混戦からシュートを放つも、これは慶大DFが体を張って対応。さらにこれで得たCKから頭で合わせるも、またもバー直撃。クロスバーにも助けられた慶大はなんとか失点を防ぐ。

 だが筑波大は63分にこの日清水エスパルス入団が決まったMF八反田康平(4年=鹿児島中央高)を投入すると、八反田に攻撃のリズムを作られてしまう。一方、カウンターの目を探る慶大は80分、ロングボールに抜け出した風間がペナルティエリア内で相手に倒されPKを獲得。勝利を近づける追加点のチャンスを得ると、慶大キッカー・日高は左隅を狙う。ところが相手GKに完全に読まれ、阻まれてしまう。絶好のチャンスを逃したものの、その後もDF陣が最後まで集中を切らさず、このまま試合終了。宿敵・筑波大を倒し、悲願のインカレ出場権を獲得した。

 5位で終わり、インカレ出場権に一歩届かなかった一昨年。屈辱の7位に終わった昨年。そうした中、今年こそはという思いでこの一戦を迎えた。そんなプレッシャーのかかる一戦、さらに慶大にとって30年以上勝利のない筑波大相手ということもあり苦戦も予想された。しかしそれを覆したのは「我々のフットボールをしよう」(須田芳正監督)という開き直りだった。それが早い時間で先制点を奪い、90分間集中を切らさず完封できた要因だろう。自分たちのサッカーを追求し、得たこの勝利は慶大イレブンにとっては大きな自信に違いない。さらにリーグ戦3位という結果は河井、日高を中心とした慶大のパスサッカーが関東大学サッカー界の中でも随一の実力を持つことの証明とも言えるだろう。こうした自信を胸に、今度は全国の舞台で慶大のサッカーを披露し、1月5日決勝の聖地・国立の舞台を目指す。

(取材・文 慶應スポーツ新聞会)

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