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シャルケ契約の松永、強烈ゴールでアピール

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 全国的に無名の19歳アタッカーがドイツで猛アピールを見せている。ドイツ1部リーグ優勝7回の名門・シャルケ04と契約を結んだFW松永祥兵(19=加藤暁秀高卒)は8月28日に行われたリザーブチーム(U-23チーム)の練習試合(対戦相手はデュイスブルグが所有するプロ未契約者のチーム)に後半から出場。シャドーストライカーのポジションを任された松永は後半30分過ぎに決勝点を奪いチームを勝利へ導いた。カウンター攻撃から2対1の状況を作ったシャルケ。ドリブルでPAやや外までボールを持ち込んだ松永は、相手DFの意識がもうひとりのアタッカーへ移ったところを見逃さなかった。「パスを出そうか迷ったけど、敵が動いたので撃ちました。自分でもびっくりのシュートだった」という右足での豪快な一撃は弾丸ライナーでゴール左上へと突き刺さった。この日はリザーブチームで調整中のブラジル人MFゼ・ロベルト(27)、GKモハメド・アムシフ(19)らトップチームの選手たちも出場していたが、誰よりも強烈なインパクトを残した。 
 その松永は8月31日には公式戦のリザーブリーグに初出場。開幕戦はサッカーパスが下りたばかりで調整が間に合わず、第2戦は股関節痛で欠場していた。そしてようやく迎えた試合に松永は10番を背負って、先発フル出場を果たした。相手はマインズのリザーブチーム。試合は1-1で引き分けたが松永は「決定的な仕事ができなかった。何回かチャンスは作れたけど、枠内シュートを一本も打てなかったことが悔しい。個人としては良くなかった」と振り返った。スピードあふれる突破と正確な技術が持ち味だが、171cm、62kgと身体的には不安が残る。「日本とドイツとではフィジカルが全く違う。あまりがっつり当たらないようにしている」という松永。接触プレーを避け「動き出しを速くして、フリーでボールを受けるようにしている」という。「けがしない方がおかしい」というほどのフィジカル差。自分自身でもフィジカル強化の必要性を感じており、この日は思い切った仕掛けこそしたものの、相手の強さに満足のいくプレーはできなかった。だがクラブは練習試合とリザーブリーグで見せた松永のクイックネスに注目。1日夜にトップチームへの合流が決まった。

(取材・文 吉田太郎)

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