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オリバー・カーンさようなら

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 9月2日、ドイツのミュンヘン・アリアンツアレーナにて、長年にわたりバイエルン・ミュンヘン、ドイツ代表GKとして活躍してきたオリバー・カーンの引退試合が行われた。バイエルン・ミュンヘン対ドイツ代表チームという組み合わせで試合が行われ、1-1という結果だった。
 9月3日付ドイツ・ビルド紙は、『さよなら、ティターン(ギリシャ神話に登場する巨人族を意味する)』と見出しをつけ、彼の引退試合がドイツサッカー界の歴史にとって忘れられない夜となったと報じている。

 21:40、レフェリーによって試合終了のホイッスルが響く。スタジアムの照明が落とされる。そして、そっとカーンだけにスポットが合わせられる。02年のW杯準優勝と言う大きな功績を残し、グローブを外すことを決意した。スタジアムに集まった6万9000人のファンは総立ちでカーンへ拍手を送り続ける。カーンは、自らの肩にFCバイエルンの旗を掛け、すべてのファンへ手を振りながらゆっくりとロッカールームへ向かう。ベンチ前で待ち構えていた、バイエルンの新しい正GKミヒャエル・レンジングと熱い抱擁を交わす。
スタンドで多くのファンが涙をこぼす中、カーンはマイクを握る。
「何て言えばいいのかわからない……。
私が経験してきたこと、それはとても大きなもの、クライマックスだった」
 客席の一人のファンが掲げたプラカートがテレビカメラによってフォーカスされる。
<ピッチからカーンが去ろうとも、彼の伝説はここに残る>

 今後は、前妻との間に生まれた子供たちと多くの時間を過ごしたいというカーン氏。
特に5歳になる息子が、GKとしての才能を持ち合わせているため、その才能を全面的にサポートしていく予定だと言う。彼の第2の人生に多くのファンが注目している。

(文 福岡正高)

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