beacon

「アフリカの代表」ガーナがアフリカ史上3ヵ国目の8強入り

このエントリーをはてなブックマークに追加

[6.26 W杯決勝トーナメント1回戦 アメリカ1-2(延長)ガーナ ロイヤル・バフォケング]

 大音量のブブゼラが鳴り響き、無数のガーナ国旗がスタンドで揺れた。120分間を戦い終えたばかりのDFジョン・ペイントシルは国旗を手に歓喜のウイニングラン。アフリカ勢最後の砦となったガーナが延長戦にもつれ込む激闘を制し、初の準々決勝進出を決めた。アフリカ勢の8強入りは90年大会のカメルーン、02年大会のセネガルに続いて3ヵ国目。アフリカのサッカー史に新たな1ページを切り開いた。

 「アフリカを代表してベスト8に進むことができた。僕は今、世界で一番幸せな人間だ。僕たちはガーナだけでなく、すべてのアフリカの人たちを誇りに思う」。延長前半3分に劇的な決勝点を決めたFWアサモア・ジャンは「アフリカの代表」という言葉を繰り返した。

 アフリカ大陸で初めて開催されたW杯。過去最多の6ヵ国が出場したアフリカ勢だが、なかなか“地元の利”を生かすことができなかった。南アフリカは開催国初のグループリーグ敗退となり、ナイジェリア、カメルーン、アルジェリアはグループ最下位。コートジボワールも「死の組」で沈んだ。

 激戦のD組を勝ち残ったガーナは、アフリカにとって最後の希望だった。2日前の日本対デンマークでは2万7967人にとどまるなど今大会を通して観客の入りが悪かったラステンバーグのロイヤル・バフォケング・スタジアムには3万4976人の観衆が詰め寄せ、その大多数がガーナを後押しした。ガーナのチャンスには耳をつんざくようなブブゼラの大音響。延長に入って疲労の色も見えるガーナの選手を鼓舞し続けた。

 7月2日の準々決勝ではウルグアイと対戦する。勝って準決勝進出となれば、ガーナとしてはもちろん、アフリカ勢としても史上初の快挙だ。消えかけていたアフリカの火を再び灯したガーナ。この勢いのままアフリカの歴史を塗り替えていく。

(取材・文 西山紘平)

▼関連リンク
W杯南アフリカ大会ページ

TOP