beacon

長友に感じた海外向き性格。背番号「5」の強奪要求に、本田流?サービス精神

このエントリーをはてなブックマークに追加

 FC東京からセリエA・チェゼーナへの移籍が正式決定した日本代表DF長友佑都。15日に帰国して東京・小平のクラブハウスで移籍報告会見を行ったが、早くもイタリアで、持ち前の人懐っこさ、強心臓振りを発揮したエピソードが聞けた。
 ユニホームの背番号がまだ決まっておらず、14日に現地で行われた新体制発表会見ではスーツ姿で臨んだが、フィッカデンティ監督に希望の背番号を聞かれた際、長友は「5番がいいです」とFC東京、日本代表でもおなじみの「5」番を要求したという。
 5番はまさにレギュラー番号。すでに昨年、身につけている選手がいた。いくら長友が外国人選手として、助っ人で期待されているとはいえ、通常“ルーキー”は空いている番号の中から選ぶことが多い。それなのに、その辺の事情は気にせず、慣れ親しみ、飛躍につながったラッキー番号である「5」番をお願いしたという。
 記者が「もう5番に決まっている選手はいなかったの?」と聞いても「監督が、分かった、分かったと言ってたから、いなかったんじゃないかな」とあっさりとしたものだった。
 「やっぱり5番は愛着がありますしね。それにゴリラ(自身のニックネーム、顔がゴリラっぽいところから由来)だから『5』じやないと」と長友は笑いながら言い切った。萎縮しない、この落ち着きぶりは海外で戦う上で大事だろう。
 そして実はこの日の帰国に備え、ある“演出”を考えていたようだ。日本代表で仲良しだった本田圭佑が、南アフリカから帰国した1日に黒のサングラスをかけていて話題になったが、長友はクラブ広報から「ユウトもサングラスで帰ってきなよ。報道陣の人が期待してるよ」とイタリアを立つ前に電話で言われ、わざわざ空港の免税店で、サングラスを購入したのだ。
 しかし、帰国会見をクラブハウスで行うほか、クラブ側が成田空港での混乱を考えて、空港での取材を受け付けないことに決定。結果、報道陣が成田空港に“お出迎え”に行かなかったため、サングラス姿を披露できなかった。長友はクラブハウスに着くなり、番記者らを見つけ、「ひどいっすよ。誰もいないんですから。せっかく買ったのに」と苦笑いを浮かべた。
 まさにサービス精神が旺盛な長友。イタリア国民は陽気でユーモアな性格の人が多いとされるが、これだけ“ノリのいい”長友なら、イタリアでの人気獲得はもちろん、チームメートともいち早く仲良くなり、すぐに環境に適応できそうな気がした。これは海外で活躍するための第一関門。実力どおりのプレーさせすれば、レギュラー獲得の道はそう険しくないと感じた。
<写真>これもサービス精神。クラブ広報に頼まれ、17日の神戸戦の告知をする長友
(取材・文 近藤安弘)

TOP