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[プリンスリーグ関東]高い改善への意識と油断のない取り組み、桐光学園が開幕5戦無敗に

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[5.11 高円宮杯プリンスリーグ関東第5節 桐光学園高 0-0 山梨学院高 保土ヶ谷]

 部員50名ほどと強豪校としては“少数精鋭”の人数で毎年のように全国舞台で活躍している桐光学園高。コーチングスタッフがしっかり把握することのできる人数でトレーニングが行われており、各選手もチャンスを掴む可能性を常に持った中、高いモチベーションでトレーニングすることができている。鈴木勝大監督が「自分たちの目標設定をしっかりして、それで取り組ませる。ウチは人数が少ない分、目が行き届きすぎるのは良くないんですけど、でもそこに常に働きかけています。特に今年はトレーニングの中で余談、油断は許さないような状況で、ちょっとした緩みがあればBグループにいったりとか、そういう入れ替えをしながらいい効果が出ればいい」と説明するように、今年は特に高い緊張感の中でトレーニングすることができているようだ。

 選手間の意識が高いという今年。10番を背負うMF大谷晃平(3年)は「全国でどれだけ通用するか分からないですけれど、去年以上に自分たちで改善しようとする、悪ければすぐ話し合いに持ち込んだり、チーム全員で悪いところを抽出して良くしていこうという姿勢がある」とそれぞれの選手が持つ意識の高さについて自信を見せる。昨年のプレミアリーグEASTでは相手を上回る内容の試合を見せながら勝ち切れずに最下位へ低迷。ただ切り替えてしっかりと今年の目標設定をし、互いに意見をぶつけながら取り組んできたチームはプリンスリーグ関東で川崎F U-18や浦和ユースを撃破するなど開幕5試合を3勝2分と無敗を続けている。開幕直後でライバルたちが試行錯誤している時期でもあるが、好スタート。大谷は「去年はプレミアで結果が出ない中で1年間苦しいシーズンだった。それはもう味わいたくない。プレミアでやってきたというのは自信にはなっていると思うし、(自分たちは)プリンスでできるというのは感じている」と力を込めた。

 現状に満足することなく、定めた目標に近づき追い越すための努力をそれぞれがしていく。この日司令塔として随所で技巧を発揮していた大谷は2年前の10番で高校選抜でもプレーしたMF松井修平(現同志社大)や昨年の10番・MF今来俊介(現早稲田大)に追いつき越えていく存在になっていくことが目標。「目指すところではあるんですけど、その2人のままじゃダメだと思うし、越えていかないといけないと思う。自分らしい10番像も出していかないといけない。自分は松井修平クンのようにと言われているので、まずそこに追いつくこと。そして今来クンみたいな守備とかそういう2人の良さを自分の良さにしていければもっと凄い選手になってくる」。今年の10番も技術レベルは高いがまだまだミスがあり、松井らに比べると視野の広さもより必要となってくる。経験を積みながら、まずは一歩一歩近づいていく。そして個々が目標を達成し、チームを底上げしていく。大谷は「こういう一戦一戦が個人のアピールの場にもなる。実力的にはまだまだだと思う。ステップアップして自分を出していければいい。チームとしては狙えるタイトルは全部狙っていきたい」と意気込んだ。

(取材・文 吉田太郎)

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