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注目MF古屋のSB起用でさらなる強さ、プレミア開幕控えた市立船橋が7発快勝:船橋招待U-18大会

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[4.1 船橋招待U-18大会 山形ユース 1-7 市立船橋高 グラスポ]

 第20回船橋招待U-18サッカー大会最終日の1日、プレミアリーグ勢の市立船橋高(千葉)がモンテディオ山形ユース(山形)に7-1で快勝。12日にプレミアリーグEAST開幕戦を控える市立船橋は試合後、フランス遠征へ出発した。

 昨年、フィニッシャーとしての才能も発揮していた注目MF古屋誠志郎と新2年生の真瀬拓海をSBとして起用する新布陣。ホストチームとして船橋招待U-18大会を戦った市立船橋は10人での戦いを強いられた矢板中央高戦で逆転負けして優勝を逃したが、最終戦を7ゴールの大勝で終えた。

 市立船橋は前半10分、MF原輝綺の縦パスから絶妙なターンでDFを置き去りにしたFW永藤歩が先制ゴール。13分には右サイドを突いた永藤の折り返しをMF太田貴也が右足で沈めて2-0とする。さらに28分にはワンツーで抜け出したMF高宇洋が右足で加点。GKのミスから山形ユースFW高橋潤哉にゴールを奪われた市立船橋だったが、43分にMF工藤友暉の右CKからCB杉岡大暉が頭で決めると、後半にも永藤、工藤、そして交代出場のMF下村司が得点して白星をおさめた。

 昨年からの主力を半数以上残し、選手権やプレミアリーグでの優勝を目指す市立船橋の注目ポイントは古屋のSB起用だろう。朝岡隆蔵監督はその献身性、やるべきことを必ずやり遂げる古屋を信頼。古屋がSBとしてプレーすることによって「チームの強さを引き出している」と分析する。3月20日から22日まで開催された全国高校サッカー選抜大垣大会から古屋をSBでテスト。指揮官が「求めたことを理解してすぐにできてしまう」という古屋はこの日もポジショニングについてひとつ指摘されるとすぐに理解して実行し、またチームのクオリティを引き上げていた。

 昨年、1トップのシャドーのポジションで攻撃力を発揮するとともに、幅広い動きで1ボランチの横のスペースなどを埋めていた古屋は新たに挑戦するポジションについて「いい意味でポジションにこだわりはないです」と前向きにとらえている。「(SBでは)タイミング良く上がったり、走ったりすることを求められている。その点は誰にも負けないように意識している」

 この日も右サイドで安定したボールコントロールと走力、献身性を見せた古屋は中盤との連係で味方を活かし、またチャンスと見るや敵陣のゴールライン際まで攻め上がって決定的な仕事もしてのけた。3バックへシフトする準備もされている市立船橋だけに、シーズンの中でよりベストな戦い方を見出していくだろうが、現段階では守備力も高い古屋と真瀬の両SBはチーム躍進のポイントのひとつになりそうだ。

 昨年から出場しているMF椎橋慧也主将や古屋は新チームスタート時から他を上回るパフォーマンスと姿勢を見せていたが、ここへ来てDF今村晃や原が台頭し、新チームになってからポジションを獲得した工藤はプレーの連続性などを高めて朝岡監督も期待を寄せる存在となっている。前評判高いチームは冬から春にかけて着実に前進している印象だ。この日出発したフランス遠征へ向けて古屋は「(対戦する欧州、アフリカ勢は)フィジカルが強いと思う。どんどんチャレンジしていきたい。できないことをできるように、肌で感じてプレミアに繋げて行きたい」と意気込んだ。年末の横山杯優勝によって獲得したフランス遠征の権利。朝岡監督は「違う文化を知ってもらったり、価値観を学んでほしい」。プレミアリーグ開幕直前の海外遠征によって厳しい日程となるが、チームは必ず選手たちの将来に繋がるものになると考えている。「突き抜けた質を求めて行きたい」と朝岡監督が語る市立船橋にとって、より大きく羽ばたくための貴重な日々になるはずだ。

(取材・文 吉田太郎)

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