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[新人戦]勝ち方を掴み始めている開催県第1代表・神村学園が初出場の塩田工に4発快勝:九州

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[2.12 九州高校(U-17)大会第1ブロック第1節 神村学園高 4-0 塩田工高 鹿児島県立サッカー・ラグビー場C]

 平成27年度九州高校(U-17)サッカー大会が開幕した。地元・鹿児島第1代表の神村学園高と初出場の塩田工高(佐賀2)との第1ブロック初戦は4-0で神村学園が快勝した。
 
 立ち上がりから主導権を握った神村学園は相手の背後へ飛び出すFW高橋大悟(1年)の左足シュートが塩田工ゴールを脅かす。そして前半10分に早くもリードを奪った。右SB田代元暉(2年)からのパスを受けた高橋が相手DF、GKのタイミングをずらしてからの左足シュートをゴール左隅へ流し込んだ。だが有村圭一郎監督が「ウチの悪いクセなんですけど1点とってゆっくりしてしまう」という神村学園はこのあと、MF橘田健人主将(2年)の展開からMF隅元聖(2年)が出したラストパスに高橋が飛び込むなどチャンスをつくったが、2点目を奪うことができない。

 一方、かつて佐賀北高で指揮を執ってきた松尾智博監督就任3年目で「ビックリしています」という九州大会初出場を果たした塩田工。決して中学時代に注目されていた選手たちがいる訳ではないが、松尾監督が「伸びしろはあるんですよ。選手権が目標。(九州大会は)何が足りないのか明確にする大会ですね」というチームは前半7分にMF力武泰隆(2年)の足裏パスから司令塔のMF松下颯汰(2年)が右足シュートをを枠へ飛ばすなど思い切り良いサッカーで自分たちの持ち味を出そうとする。連動した守備で相手の攻撃に食い下がり、最前線で身体の強さを見せるFW川上南琉星(2年)や松下中心に反撃。だが佐賀県内の対戦相手よりもレベルの高い神村学園は、タイミング良く相手の間に入っていく部分など、塩田工がトレーニングでやってきたことを簡単に表現させてくれなかった。

 後半には入ると神村学園が今年の特長でもあるサイド攻撃から塩田工を突き放す。4分、橘田が後半左サイドでプレーした高橋へ叩くと、高橋のグラウンダーのラストパスを交代出場FW麓大地(2年)が右足ダイレクトで合わせて2-0。さらに22分には高橋の右CK後の混戦から最後はCB尾上翔也(2年)が右足で決めると、27分には橘田のスルーパスを交代出場MF秀島涼太(2年)が右足でゴールへ突き刺した。塩田工も終盤に川上が決定的な一撃を放ったが、神村学園が4-0で快勝した。

 地元第1代表となった神村学園は今年、サイド攻撃にも意識を傾けている。橘田は「これまでは相手が中を閉めていても中へ入っていた」と振り返るが、隅元や高橋といったサイドで力を発揮する選手たちの存在もあって、サイド攻撃にも着手。相手の守りを広げることによって持ち味の中央からの崩しがより効果を増しており、橘田も「攻撃の幅が広がってきている」と手応えを口にする。

 その幅を広げた攻撃によって今大会は地元Vに挑戦。選手権予選決勝で2年連続敗退するなど過去2年間は県内のタイトルを獲得することができていなかったが、今回の県新人戦で優勝したことで選手たちが勝ち方を掴み始めている。有村監督は「2年間勝っていないこともあって、(県)新人戦で優勝しましたけれど、勝ちを知らない子が多かった。勝つことがひとつ自信になる。良いゲームもそうですけど、勝つことにこだわってやりたい。勝負して負けたとなればこれからの努力のしがいもあるだろうし。勝負して負けないと次にこたえないので。勝負させたいと思います」。選手たちも指揮官と同じ意欲を持っている。橘田は「これまでは準優勝だったり、その前で負けたりしていた。今年は絶対に3冠したいと思っています。(初戦で快勝したが)チームとしてもこれで満足せずにやろうとなっているので九州大会優勝してインターハイ、選手権出たい」と力を込めた。

[写真]後半22分、神村学園はCB尾上(左)が3点目のゴール

(取材・文 吉田太郎)

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