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帝京安積が初の東北新人大会準決勝進出。1試合でも多く経験し、プリンス東北や全国出場2枠のインハイに結びつける

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帝京安積高はMF仲大和らが粘り強い守備で初の東北新人大会準決勝進出

[1.28 東北高校新人大会準々決勝 聖和学園高 0-2 帝京安積高 Jヴィレッジ]

 28日、第23回 東北高等学校新人サッカー選手権大会準々決勝がJヴィレッジ(福島)で行われ、帝京安積高(福島3)が2-0で聖和学園高(宮城1)に勝利。初の準決勝進出を決めた。

 帝京安積が明桜高(秋田1)に続き、宮城県1位の聖和学園を撃破。初の準決勝進出だ。MF安原知希(2年)をはじめ技巧派揃いの相手に対し、帝京安積は球際で身体をぶつけて厳しいチェック。鋭いアプローチと球際で負けないことを徹底した。

 小田晃監督によると、現時点で特別なチーム力がある訳では無いという。だが、「今日のゲームだったら、凄く頑張ってハードワークしてくれたんで。それがテーマでもあったので、求められたことに対してしっかりと向き合ってくれる、まとまりのある子たち」という学年が、歴史を塗り替えた。

 MF仲大和(2年)は特に強度の高い守備。1年前の負傷離脱時に筋力トレーニングを重ね、短期間で8kg増量したというボランチは「自分のところで止めるっていうよりかは、自分のところでボールを奪い切るっていう意識でずっとやっていて。それはずっとスタッフのコーチ、監督にも言われていたことなんで、そこは意識してずっとやってます。(今日は)周りが守備頑張っていたから助けられたシーンもあった」。仲やMF藤沼遥斗(2年)、CB高橋大峨(2年)が相手のドリブルに食い下がり、ラストパスをCB平野瑛大主将(2年)がカットするなど集中した守りを続けた。

 平野は「みんな気持ち込もっていて、みんなで準備してくれて助かったし、非常に良かったと思います」。また、最後方からの声、強さが目立つ182cmGK村上斗粋(2年)が普段以上に安定した守りを続けたこともあり、無失点。前半13分に平野の左足FKで先制すると、後半27分には仲のアシストから交代出場FW宗形享(2年)が左足シュートをねじ込み、2-0で勝利した。

 仲は「聖和はルーキーリーグで2-11で負けてたんで、一人ひとりがそういう強い思いもあっていい時間帯でゴールを決めれたし、守備の時間が続いたけど、全員で走り切って勝てることができました」と喜んだ。

 ビルドアップの部分など思うような攻撃ができなかったことは確か。それでも際のバトルで最後までやり切ったこと、走り切ったことが白星に繋がった。小田監督は「もう、『そこ(球際)負けたら持ってかれんぞ』って言ってたんで、『この相手に関してはやっぱりそこだけは取って来い』っていう話で。それがどれぐらい続けられるかっていうところかなって思っていました」。強敵を倒し、大会最終日まで経験するチャンスを得た。

 今年からインターハイ男子サッカー競技は福島県開催に。開催地の福島県は2校が全国大会に出場することができる。指揮官はまずプリンスリーグ東北で残留することを重視するが、「出なきゃいけないと思っています」。チャンスが広がった選手たちの全国出場への思いも強い。

 仲は「福島県、インターハイ全国2枠なんで、そこは絶対全国取りたい」と語り、平野も「やっぱ全国大会出場は自分たちの目標でもあるんで、そこはしっかり2枠なんで狙っていきたいです」と力を込めた。

 まずは今回の東北大会で一つ多くの試合を経験すること。この経験もインターハイ出場に結びつける意気込みだ。準決勝の対戦相手は岩手の伝統校・遠野高(岩手1)。勝てば、決勝では県内のライバル・尚志高(福島1)か選手権日本一の青森山田高(青森1)と真剣勝負をすることができる。

 平野は「まず1試合目の遠野はしっかり勝って、決勝に進んでいきたいですし、山田とかもトップで来てるんで。あんま(トップと)戦う機会ないんで、そこでしっかりいいサッカーして勝てたらなと思います。(青森山田は)プレミアでも1位とか常に上位の方ですし、そこに勝てたら全国大会出場とか近づいてくると思うんで、そこ(決勝で勝つこと)を目標にしてやっていきたいです」。今年の躍進のためにも、より自信を得て東北新人大会を終える。

(取材・文 吉田太郎)
吉田太郎
Text by 吉田太郎

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