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[プリンスリーグ]「タイトル全て取る」横浜FMユース3発勝利

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[4.11 JFAプリンスリーグ関東1部第1節 横浜FMユース 3-0 湘南ユース 日産フィールド小机]

 高円宮杯第21回全日本ユース(U-18)選手権の出場権を懸けたプリンスリーグ(U-18)関東1部が11日、開幕。昨年の全日本ユース選手権で優勝した横浜F・マリノスユース(神奈川)は09年U-18日本代表候補のエース、小野裕二の2得点などにより、湘南ベルマーレユース(神奈川)との神奈川ダービーを3-0で制した。

 快勝スタートについて横浜FMの松橋力蔵監督は「疲労があるのは分かっていた。よくやってくれたなと思う」と選手たちを讃えた。昨年の全日本ユース選手権優勝の副賞として与えられた12日間のドイツ遠征により、プリンスリーグ開幕直前の4月6日に帰国したばかり。「(選手たちにとって)ドイツへ向かう準備は出来ていたとしても帰ってきて、プリンスをどう戦うかは難しかったと思う」。3月20日からのマリノスカップで4連戦を戦った直後にドイツ遠征が組み込まれたことにより、過剰なまでのハードスケジュールとなったが、「目の前のタイトルを全て取る」と誓う選手たちは、主将のDF保田隆介が「スコアは出来すぎ」と振り返る会心の勝利を飾った。

 湘南トップチームに2種登録されている注目MF遠藤航を1ボランチに置く4-1-2-3システムの相手に対し、1トップの小野の下に09年日本クラブユース選手権得点王の松本翔、09年U-17日本代表の後藤拓斗、そして得点力の高いMF高橋健哉を並べた4-2-3-1システムで試合に臨んだ横浜FM。だが序盤は前線から果敢に追い回す湘南に押し込まれた。特に3トップの中央に位置する2年生FW見留耀太に手を焼き、鋭い突破を何とかファウルで止めるような場面も。前半4分には微妙なオフサイドの判定に救われたがCKからの混戦でゴールへ押し込まれるなど、湘南にペースを握られた。

 攻めても数的優位をつくられた中央でミスを誘発された横浜FMだが、サイドのスペースを小野や松本が効果的に狙うなど相手の弱点を突き出すと、ポゼッションも高まり20分ほどで試合の流れを自らへと傾ける。25分には小野のスルーパスから右サイドを突いた松本の折り返しを高橋が合わせるなど決定機もつくりだした。そして37分、左サイドの高橋がアーリークロス。ファーサイドの後藤が体勢を崩しながらも絶妙なコントロールで折り返すと、中央へ飛び込んだ小野が右足ダイレクトで先制ゴールを押し込んだ。

 リードを奪われた湘南だが、後半開始直後に見留が中央突破から左足シュート。さらに11分には遠藤のインターセプトから途中出場のFW金子京平が決定的な右足シュートを放つ。後半開始からの20分間でアタッカー4人を入れ替え、活力を得た湘南はセットプレーからも好機をつくった。対して横浜FMはシュートまでは持ち込むものの、その正確性を欠くなど追加点を奪うことが出来ない。それでも保田と渡辺大斗の両CBが背後を的確にケアしながら守ると29分、「どこのチームにも引けを取らない」と指揮官も自信を見せる素早い切り替え、そしてミスなくゴールまで運ぶ正確性を発揮して追加点を奪った。
 横浜FMはカウンターから途中出場の1年生MF喜田拓也が中央を独走。そして右サイドへラストパスを送ると松本が右足でゴールを射抜いた。得意な形でリードを広げた横浜FMは35分にも右CKのファーサイドからの折り返しを小野が頭で押し込み、3-0で勝利した。

 後半同点に追いつくために攻撃姿勢を強めた湘南だったが、運動量が落ちると大きく開いた中盤両サイドを突かれるなど劣勢となり敗戦。ただ遠藤は「結果は0-3だったけど、自分たちのペースでできたし、通用した部分はある。決定的なチャンスを決めることができるか、守りきられることができれば上位にいける」と手ごたえを口にした。
 一方、快勝発進を喜んだ横浜FMだが、昨年の日本一を知る保田主将は「まだ未完成。まだ昨年のレベルにはない。1試合1試合積み重ねていく」。ドイツ遠征では攻めながらもゴールが奪えず、逆に相手の1チャンスで得点に結び付けられた。この日は自力を見せ付けて全国連覇へ好スタートした横浜FMだったが、試合の中で相手の弱点を見抜き、弱点を自ら補う判断力、また取るべきところでとる強さはまだ未完成な部分。これらをチームとして高めながら、まずは関東制覇へ狙いを定める。

<写真>前半37分、小野(右から2人目)の先制ゴールを喜ぶ横浜FMユースイレブン
(取材・文 吉田太郎)

特設:プリンスリーグ関東
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