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[プリンスリーグ]3発勝利の流経大柏、クラブ勢4連戦へ課題も

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[4.25 プリンスリーグ関東1部第3節 流通経済大柏高 3-1 武南高 流通経済大柏高G]

 JFAプリンスリーグ(U-18)関東1部は25日、第3節を行った。高校勢同士の対戦となった流通経済大柏高(千葉)対武南高(埼玉)は、MF吉田眞紀人の先制ゴールなどにより、3-1で流経大柏が勝った。

 シュート数20-7でスコアは3-1。CB増田繁人主将が「高校チームには負けられない」と口にする流経大柏は2連勝でクラブユース勢4チームに続く5位へと浮上した。
 流経大柏の先制点は前半20分、MF古波津辰希からのパスを左サイドで受けた吉田が得意のドリブルでPAへ進入すると、前へ飛び出しかけたGKの意表を突く左足ループシュート。「狙いました。でもあんなにいいコースにいくとは思わなかった」と自身も驚いた一撃が鮮やかにゴールネットを揺らす。本田裕一郎監督も「クロスかと思ったけど、狙ったのならば褒めないといけないね」と讃えた技ありのゴールで先制点を奪った。

 さらに流経大柏は畳み掛ける。直後の24分には右サイドで粘ったFW進藤誠司の折り返しを右MF石井克仁が弾丸ショットでゴール左サイドネットへ突き刺し2-0。ただし、2点リードで気が緩んだか、この後は狭いスペースでの狙いすましたパスよりも、受け手頼みの感覚的なボールが増え、攻撃がかみ合わない。個人的なミスや連携ミスによりボールを失う回数が増えた。武南も中盤のコンダクター、平野義松に突破力のある右MF吉永和真、また山田諒太郎と河野直登の2トップと、プレッシャーが緩ければゴールまでボールを運ぶことのできる選手を備えており、反撃を許した流経大柏は一気に勝負を決めることができなかった。

 ハーフタイムに3選手を入れ替えた武南に対し、流経大柏は後半10分に素晴らしい守備から個人技で左サイドを破った進藤のクロスをFW三渡洲舞人があわせるなど決定機をつくるが、突き放すことができなかった。中盤から前の5選手を次々と入れ替え、活性化しようとするも停滞感を打破できない。前線からのプレッシャーの鋭さはさすがで再三敵陣で相手ボールをインターセプトしていたが、それを得点に結びつけることができなかった。

 試合終了間際にはGK松澤香輝のキックからFW宮本拓弥が頭でつなぎ、MF秋山大樹が右足シュートを決めて3-0としたが、ロスタイムに再三スペースを突かれていたバイタルエリアからのクロスをDFがオウンゴール。3-1で勝ったものの、選手の表情には桐光学園高に2-0で勝った前節同様に笑顔はなかった。集中力を欠いた失点に加え、層の厚さによる選手の入れ替えの激しさを要因とするコンビネーション不足も明らかで、本田監督もその点を懸念していた。

 プリンスリーグ関東に出場している高校勢5チームの中では実力最上位の流経大柏。個人のレベルは高いがそれを試合でそれぞれが引き出しあう「チーム力」向上はこれからか。増田主将も「全然ダメです」と繰り返していた。不安要素と武器であるサイド攻撃からの得点力アップなど課題を抱えたまま、高校の雄は「勝ちたい。最低でも負けないこと」と意気込む東京Vユース、横浜FMユース、三菱養和SCユース、F東京U-18戦と続く対クラブユース4連戦に突入する。

(取材・文 吉田太郎)

特設:プリンスリーグ(U-18)2010
[高校サッカー]

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