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[Jユースカップ]東京Vユースが横浜FCユースに3発快勝!!

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[11.18 Jユースカップ予選L・Bグループ 東京Vユース3-1横浜FCユース 夢の島]

 Jユースカップ予選リーグ・Bグループの東京ヴェルディユースと横浜FCユースの試合が18日、東京・江東区夢の島競技場で行われた。日本クラブユース選手権(U-18)王者の東京Vユースは3-1で横浜FCユースに勝利した。これでBグループ暫定首位に立ち、2位以上が決定。12月5日から行われる決勝トーナメント進出を決めた。

 7月の日本クラブユース選手権(U-18)で日本一に輝き、8月の東京都サッカートーナメントでは高校生チームとして初の優勝を飾り、東京都代表として天皇杯本選出場を果たした東京Vユース。しかし、その後に行われた高円宮杯全日本ユース(U-18)選手権では、横浜FMユースに0-4で呆気なく敗戦し、決勝トーナメント1回戦で姿を消した。あの敗戦から2ヵ月、チームの主軸であったMF小林祐希がトップチームに専念しているため不在。快進撃を続けた夏から大きくメンバーを変更して試合に臨んだ。

 システムは変わらず4-4-2。GKキローラン菜入、最終ラインは、右SBにこれまで右SHを務めていた山浦新が入り、残るは右からDFキローラン木鈴、DF長田海人、DF舘野俊祐。中盤の底には、MF渋谷亮と、今まではCBを務めていた高野光司、右SHにMF端山豪、左SHにMF横内宏治、2トップをFW南秀仁、FW相馬将夏が担った。

 対する横浜FCユースもシステムは同じで、GK白川英功、DF陣が右からDF前田啓介、DF渡辺元貴、DF宮崎和弥、DF南祥巧。ボランチにMF三次裕弥、MF佐藤和俊、右SHにMF谷本一平、左SHにMF中山僚太、前線にはFW吉田颯、FW木下康介が入った。

 立ち上がり、東京Vユースは立て続けに右サイドでボールを奪われ、幾度もカウンターを受ける。なんとかキローラン木鈴、高野の踏ん張りでしのぐものの、なかなかリズムをつかめない。悪い流れで迎えた前半14分、ついに左サイドからPA内へ突破を許すと、中山の左クロスに木下中央で合わせ、先制点を奪われた。

 その後も、横浜FCユースが南のオーバーラップや中山のドリブル突破でチャンスを演出。東京Vユースはいずれも攻撃が単発に終わり、中盤でボールを失う回数も増えると、持ち前のポゼッションでも相手を上回ることが出来ない。それでも端山と南を起点に右サイドから果敢に攻め込み、1点を奪いにいく。すると前半28分、ようやく東京Vユースにゴールが生まれる。横内の左クロスから端山が放ったシュートは相手GKに弾かれるが、こぼれ球に南が右足でつめて1-1。試合を振り出しに戻した。

 後半開始と同時に、東京Vユースは舘野と横内に代え、MF杉本竜士、MF牧野修造を投入して左サイドを活性化。横浜FCユースは吉田に代え、FW西田子龍をピッチへ送った。互いに選手を入れ替えた後半は、徐々にボール支配率を上げてきた東京Vユースがゲームを支配した。まずは後半25分、高野がPA内左で倒されてPKを獲得。これを南が落ち着いてゴール正面に沈め、逆転に成功した。

 さらに、同36分には南がPA内右から「あえて相手DFに当てて竜士のシュートコースを広げた」(南)という技ありの浮き球パス。この相手DFに当たったボールを杉本がワンタッチで押し込み3-1。横浜FCユースを突き放した。結果、先制されるも3発を決めた東京Vユースが逆転勝利。これで大宮ユースを抜いて、Bグループの首位に立った。

 試合後、東京Vユースの楠瀬直木監督は3発の快勝にも「こんなサッカーでは、この大会のタイトルを獲る約束は出来ない」と厳しい一言。「強い相手とやった時に高い質を出していくのではなくて自分たちから、その質を出していかないと」と精度を欠いたプレーの連発に苦言を呈した。

 また、決勝トーナメントは今季のJリーグ閉幕後に行われるため、楠瀬監督は既にトップチームで活躍中のMF高木善朗と小林の出場も可能性のひとつとして有り得ると話した。現在のユースメンバーと彼ら2人がひとつのチームとして戦ったとき、さらにレベルアップした東京Vユースが見れるのは間違いない。

 しかし現在の東京Vユースを引っ張っているのは、この2人ではなく、今ここでグループリーグを戦ってきた彼らに他ならない。ユースで戦い続ける彼らには「グループリーグを勝ち抜いてきたのは自分たち」というプライドがある。高木善や小林が戻ってきたとき、ピッチ上で自分のプレーを信じる気持ちが、彼ら2人のプレーに頼る気持ちを上回れれば、このチームはまた新たなステージに進めるはずだ。そのためにも、まずは目前の残り試合を全力で戦い、1試合毎に確かな自信をつけていってほしい。

(取材・文 片岡涼)

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