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[Jユースカップ]「4-3」ライバル4度突き放した横浜FMユースが初V!!

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[12.26 Jユースカップ決勝 横浜FMユース 4-3 F東京U-18 長居]

 Jユースカップ2010 第18回Jリーグユース選手権大会決勝戦が26日に大阪長居スタジアムで行われ、延長戦の末、横浜F・マリノスユースが4-3で2連覇を狙ったFC東京U-18を下して初優勝を飾った。大会得点王には、通算13得点を挙げた横浜FMのMF松本翔とF東京FW秋岡活哉が輝いた。

 試合は激しい点の取り合いとなった。先制したのは横浜FMだった。4分にシュートのこぼれ球を右SB星雄次が詰めた。足下の技術の高い横浜FMは、質の高いボールポゼッションと両SBの攻撃参加で相手陣内に押し込み、シュートチャンスをうかがった。一方、F東京は堅守を誇るチームだが、相手のドリブルをひっかけても、横浜FMのサポートが早いためにボールを奪いきれず、結果としてプレスのかけどころが難しくなり後手を踏んだ。

 しかし、粘り強さは強烈だった。30分、右サイドで好機を作ると、ボランチの江口貴俊が中盤の底から最前線へ飛び出し、同点弾をたたき込んだ。1-1で折り返した後半、横浜FMは12分に松本が自らのドリブル突破で得たPKを決めて再び勝ち越し。だが、F東京は22分にMF岩木慎也が思い切った左足ミドルを放ち、これが相手選手、そしてポストに当たってゴールとなる執念の一撃で食らいついた。33分に横浜FMが右サイドを攻略して途中出場のFW高橋健哉が得点を挙げても、F東京は43分に再び江口が自慢の走力で相手DFの背後まで走り込んでロングパスを押し込み、3-3と譲らない。

 横浜FMがリードしては、F東京が追いつく展開が続くこと三度。90分では決着がつかず、延長戦にもつれ込んだ。延長前半5分、F東京MF武藤嘉紀が驚異的な当たりの強さを見せて相手守備網を一人で突破。フィニッシュまで持ち込んだが決め切れなかった。決勝点が生まれたのは、延長前半10分。横浜FMはボランチの渡辺大斗から右サイドへ展開し、途中出場のMF鈴木雄斗がセンタリングを挙げると、身長わずか162cmの松本が頭で合わせてゴールを奪った。

 敗れたFC東京の倉又寿雄監督が「最後までウチの良さを出してくれた。悔いはない。相手の松橋監督は、(就任当初に)走り負けないチームを作らないといけない、と言っていたけど、素晴らしいチームを作っていると思う。終盤、もう少し相手の運動量が落ちてくると思ったけど、落ちなかった」と脱帽すれば、昨年度の高円宮杯に続く全国タイトルを獲得した横浜FMの松橋力蔵監督も「苦しい試合だった。F東京はやる(べき)ことがハッキリとしているし、パワーを持っている。簡単には勝たせてもらえないと思っていた」と語り、互いに死力を尽くした相手を認め合った。前半途中には小雨が降るなど天候には恵まれなかったが、最後まで戦いを見届けた2587人の観衆からは両チームに惜しみない拍手が贈られた。

(取材・文 平野貴也)

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