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“ダブル・ブルドーザー”競弾!日本高校選抜が静岡県選抜破る

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[3.6 ヤングサッカーフェスティバル 日本高校選抜3-2静岡県高校選抜 清水総合]

 第26回静岡県ヤングサッカーフェスティバルが6日、静岡県の清水総合で行われ、4月に欧州遠征を行う日本高校選抜対U-17静岡県高校選抜戦は浦和レッズMF小島秀仁(前橋育英)の決勝ゴールにより、3-2で日本高校選抜が勝った。

 高校選手権の大会優秀選手で結成された「スター軍団」日本高校選抜が、1学年下の静岡選抜を振り切った。日本高校選抜は全国選手権得点王の清水エスパルスFW樋口寛規香川勇気谷口智紀のダブルボランチ、CB土師直大と滝川二(兵庫)の全国Vメンバー4人が先発。4-2-3-1システムのGKは清水エスパルスGK櫛引政敏(青森山田)で4バックは右から藤本貴士(大津)、アルビレックス新潟CB増田繁人(流通経済大柏)、土師、車屋紳太郎(大津)。谷口、香川が中盤中央に入り、右MFが加藤大樹(立正大淞南)で左が白崎凌兵(山梨学院)。トップ下に樋口、加部未蘭(山梨学院)が1トップを務めた。
 対して静岡選抜はU-18日本代表候補FW柏瀬暁(清水ユース)の1トップ、その後方にU-18日本代表候補MF風間宏矢(清水商)と10年U-16日本代表候補MF長谷川竜也が位置する4-3-2-1システムで試合に臨んだ。

 試合は立ち上がりから攻守の目まぐるしく入れ変わる展開となった。CB新井一耀(清水商)とCB木下高彰(浜松開誠館)らが空中戦でひけをとらない戦いを見せる静岡選抜に対し、局面の攻防戦、フィジカルで上回る日本選抜は中盤、最終ラインからディフェンスラインの背後を突いたパスに加部や樋口、加藤、白崎が鋭く反応。静岡ディフェンス陣に隙あらば一気にゴールへと迫っていった。
 8分には右スローインから縦へ切れ込んだ樋口が折り返し、決定的な形で受けた白崎が右足シュート。その後も白崎とのコンビから樋口が放った右足シュートや、抜群のスピードで左サイドを突いた加部の左足シュートがゴールマウスをかすめた。

 ただ静岡は1ボランチのMF前田柊(磐田ユース)がセカンドボールの攻防戦で健闘すると、柏瀬、風間の力強いドリブル突破やトリッキーな足技で観衆を沸かせた長谷川、スピードあふれる攻撃参加がウリの右SB伊東幸敏(静岡学園)らが徐々にチャンスの数を増やしていく。それでも日本選抜は36分、香川を起点に左サイドからPAへ進入した白崎が個人技で相手DFのファウルを誘い、PKを獲得。これを樋口が右足で決めて先制した。

 日本選抜は42分、加藤、樋口に代えてMF佐々木雅人(西武台)とFW浜口孝太(滝川二)を投入。前半終了間際にも加部が決定的な右足シュートへ持ち込むなど相手を押し込んだまま前半を終えた。そして後半からはGKに小澤章人(西武台)、4バックを右から藤本、山本大地(久御山)、金大貴(静岡学園)、中村宏輝(立正大淞南)へ変更。さらに主将の小島秀仁(前橋育英)と車屋のダブルボランチ、左MFに進藤誠司(流通経済大柏)、右に佐々木。2トップに浜口と小牟田洋佑(前橋育英)を起用した。

 その日本選抜は後半2分、佐々木のラストパスで抜け出した浜口が追加点を奪う。高校選手権で対戦校の脅威となった樋口と浜口の通称“ダブル・ブルドーザー”、滝川二のFWコンビがアベックゴール。ただ静岡選抜は食い下がる。6分、右サイドでのパス交換から長谷川がSBの背後へスルーパスを送ると、反応した伊東がダイレクトでクロスボール。これを風間が鮮やかな右足ボレーでゴールへと叩き込み、1点差とした。

 活気付いた静岡選抜は、なかなか攻めきることのできない日本選抜からボールを奪うと縦へのスピードある攻撃と、ショートパスでの崩しからシュートまで持ち込んでいく。それでも日本選抜は21分、ゴール正面PAやや外側の位置から仕掛けた小島が強引に中央突破してGKと1対1となるとそのまま3点目のゴールを奪う。

 静岡は41分、カウンターから中央突破を図った風間が絶妙なスルーパス。PAへ入り込んだ兼岡が左足でゴールを破り、再び1点差とする。ベンチからの「あきらめるな!」「点を取って来い!」のゲキに後押しされた静岡選抜はさらに勢いを増したが、日本選抜は冷静に時間を削り、逃げ切った。

 日本高校選抜は2月26日のセロックススーパーカップ「NEXT GENERATION MATCH」ではこの日の相手と同じく1学年下の世代にあたるU-18Jリーグ選抜に1-2で敗戦。「今回は負ける訳にはいかない」と気合十分の姿勢で臨んだ試合を1点差ながらも勝ちきった。

 4月の欧州遠征で第49回デュッセルドルフ国際ユースサッカー大会に出場する日本選抜にとって、この日の試合は最後のセレクションマッチでもあった。それだけに大学受験で不在だったFW坂本樹是(久御山)を除くメンバー全員が出場し、最後のアピール。この後、メンバーは現在の21人から18人へと絞られる。

 平岡和徳監督(大津)は選手たちへ向けて「サッカーというものを追求してほしい。人間的に大きくなれることを期待している」とメッセージ。1ヵ月後の欧州遠征へ向けて小島主将は「勝てたのは大きいけど内容はまだまだ。チーム一丸になって全員でカバーして、全員でチャレンジして、日本を代表するチームとして頑張る」と誓っていた。

[写真]前半36分、日本高校選抜FW樋口が先制ゴール
(取材・文 吉田太郎)
ゲキサカでは本日より高校選抜全21選手、そして静岡県高校選抜16選手インタビューを掲載予定。お楽しみに!

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