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[プリンスリーグ関東1部]大宮ユース、劇的V弾で前橋育英破る

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高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プリンスリーグ関東1部
[5.15 プリンスリーグ関東1部第6節 大宮アルディージャユース2-1前橋育英高 NACK]

 高円宮杯U-18サッカーリーグ2011 プリンスリーグ関東1部は15日、第6節2日目の3試合を行い、埼玉県さいたま市のNACK5スタジアム大宮では大宮アルディージャユース(埼玉)と前橋育英高(群馬)が対戦。後半45分にMF小山大貴が決めた決勝ゴールにより、大宮ユースが2-1で競り勝った。

 右の飯高颯生と左の菊池翔の両SBら充実したサイド攻撃と、1年生の10番MF大山啓輔を中心としたテンポの速いパスワークで攻める大宮ユースと、大宮ユース・横山雄次監督が「後半カウンターの鋭さが上がってきた」と評した前橋育英。1点を争う好ゲームに決着をつける一撃は後半45分に生まれた。

 前半から相手を上回るパフォーマンスをしておきながら決定力を欠き、1-1に追いつかれた大宮ユースは、後半36分に「ドリブルとか個の部分に期待した」(横山監督)と右SBに小泉郁弥を投入。その小泉が右サイドでのワンツーからアーリークロスを上げると、二アサイドへ走りこんだ小山が頭で合わせて歓喜をもたらした。

 両腕を突き上げて走り出した小山にチームメートが一斉に走り寄る。同じ3年生のMF青木捷に引き倒されて転倒した背番号8の上にオレンジ色のユニホームが飛び乗り、雄たけびを上げた。「先週(横浜FMユースに0-1で)負けたのが悔しくてキツいことを言ってきたりして準備してきた。試合内容を考えると2-0、3-0で勝たなければいけなかったし、全然満点ではないけど、ホッとしている」と指揮官。すでにトップチームへ2種登録されているU-18日本代表CB工藤将太朗主将は「こういう勝ち方ができれば、これからも活きてくると思う。強い相手になっても最後まで粘り強くやること。最後まで粘り強くやったからこそ最後に点取れたと思う」と喜んでいた。

 この日の大宮ユースは工藤主将の「最初から勢いもって相手を押し込もうというのはいつも言っていること。最初の5分、10分で主導権握ること」という言葉通りに立ち上がりから相手を押し込んだ。1タッチ、2タッチでスピーディーにボールを動かし、個で局面を打開することのできる左の菊池と小山、右の飯高とMF平野篤志が相手守備網に穴を開けた。前半33分には大山がDF間を射抜くパスを右サイドの飯高へ通すと、飯高がライナー性のクロスボール。中央へ集まった前橋育英の裏へ抜けたボールを、ファーサイドで待ち構えていた小山が右足コントロールショットでゴール右隅へと沈めて先制した。

 一方、前橋育英は前線のポジション変更を繰り返しながらも、攻め急がずに大きな展開を交えて大宮ユースに揺さぶりをかける。前半はシュート2本に終わったものの、1点を追う後半の立ち上がりは山田耕介監督から「シュートでリズムをつかんでいこう」の声。また指揮官は選手によって「まだシュートを打っていないじゃないか」と言葉をかけて一人ひとりのシュート意識を高める。大宮ユースの中盤がやや間延びしたこともあり、薄くなった中盤を突破した前橋育英はMF白石智之やFW外山凌らが次々とミドルシュートへ持ち込んだ。

 そして17分、右SB山本裕天が放り込んだ左足のアーリークロスをFW松井聖也が頭でゴール左隅へねじ込み、同点に追いついた。勢いに乗った前橋育英はさらに19分、左利きの10番MF横山翔平の絶妙なスルーパスで抜け出した外山が決定的な左足シュート。28分には交代出場のMF齋藤祐志の折り返しから白石がバイシクルシュートを試み、U-17日本代表GK川田修平がゴールを守る大宮ユースゴールへ畳み掛けた。

 だが大宮は27分に交代出場のU-17日本代表候補FW中山雄希がPAで粘って決定的な左足シュートへ持ち込み、青木が気迫あふれる動きでゴールへ突進。トップチームのホームグラウンドに集まったサポーターの声援に支えられ、真っ向から攻めあうと試合終了間際に歓喜の瞬間が訪れた。工藤主将は「(全体的に)自分たちで支配できていた。相手の時間になっていたところもあるけど、サイドを崩し続けて。結果的に続けていたんで、最後の部分クロスからゴールすることができた」。
 
 これで大宮ユースは2勝1分1敗。前節の横浜F・マリノスユース戦は0-1で落としたものの、内容では上回っていた。その実力は激戦区・関東1部でもトップクラス。この日劇的勝利でつかんだ勝ち点3を後押しに、大宮ユースが首位・市立船橋高と勝ち点3差の優勝争いに食い下がる。

[写真]後半45分、小山の決勝ゴールに喜びを爆発させる大宮ユースイレブン
プリンスリーグ関東1部
特設:2011 プリンスリーグ
(取材・文 吉田太郎)

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