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[クラブユース選手権]連覇を狙う東京V、南2発&中島ゴールで柏U-18を下して決勝へ!!

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[7.29 日本クラブユース選手権(U-18) 東京Vユース3-1柏U-18 ニッパ球]

 adidas CUP 2011 日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会は29日、神奈川県・ニッパツ三ツ沢球技場で準決勝の2試合を行った。第1試合では東京ヴェルディユースと柏レイソルU-18が対戦。FW南秀仁の2得点とMF中島翔哉のゴールで東京Vが3-1で勝利した。東京Vにとって連覇のかかる決勝戦は31日に同会場で行われ、ヴィッセル神戸U-18と激突する。

 昨年度の決勝戦と同カードとなった一戦だが、両チームは今大会のグループリーグでも対戦済み。3日前に行われたグループリーグ最終戦では柏が2-0で勝利していた。しかし、この日は東京Vが2点を先取して優位に試合を進めた。

 まずは前半15分、相手ボールを奪ったFW高木大輔から中島につなぐと、中島がドリブルで左サイドから中央へ持ち込む。最後はパスを受けた南が柔らかなドリブルから強烈な右足シュート。先制に成功した。さらに8分後には、再び南がみせる。自陣内右でDF田中貴大がボールを奪い、右サイドに走りこんだ南へパス。南と中島がパスをつなぎながら相手ゴールへ襲い掛かる。フリーでゴール右へ抜け出した南がGK中村航輔の位置を見て、ループパス。これは相手DFに阻まれたが、自らこぼれを左足ダイレクトで押し込み、2点目を奪った。

 後半に入っても東京Vは攻撃の手を緩めない。後半20分には南が左サイドからドリブル突破を仕掛けて、シュートを狙ったがポスト左を叩いた。同23分には柏に1点を返されるが、動じることなく自分たちのペースで試合を展開。同26分には途中出場のDF舘野俊祐がPA手前左から弾丸ミドルを狙ったが、わずかにポスト右へ外れていった。MF杉本竜士も持ち前のドリブルで見せ場をつくる。同28分にはMF楠美圭史の右CKに南が合わせ、ゴールラインを割ったかに見えたが、GK中村がラインぎりぎりでキャッチしたとして、ゴールは認められなかった。

 それでも2-1で迎えた後半38分、中島のヘディングシュートはクロスバーを叩くが、こぼれをつないで最後は田中が右クロス。ゴール正面で受けた南の浮き球パスを中島が右足ワンタッチで流し込み、ダメ押しの3点目を決めた。そのまま逃げ切った東京Vが3-1の勝利。2年連続の決勝戦進出を手に入れた。

 試合前には柏の攻撃に対して、ゲーム途中で4バックから3バックへ布陣を変更し、両ウィングのポジションも下げ、5バックのような形で戦うことを想定していた。しかし、守備の要であるDF長田海人を出場停止で欠いたものの「海人くんの分も試合中の声を出さないと」(吉野)と2年生CBの吉野と1年生DF畠中槙之輔らが指揮官に「途中で変にいじる必要もなかった」(楠瀬直木監督)と言わしめる奮闘ぶり。両SBも攻守に渡って存在感を発揮して、スタンドに掲げられた「海人とともに三ツ沢へ」の言葉を実現させた。

 一方、敗れた柏は序盤のチャンスを決められなかったことが響いた。前半8分には左サイドからMF山中亮輔の左クロスからMF中川寛斗がボレーシュートを放ったがクロスバーに阻まれた。その後に2失点。前半終了間際には中川が獲得したPA外右のFKを山中が直接狙ったが、ポスト左へ外れた。

 2点を追う後半16分には「会心のセットプレー」(下平隆宏監督)を演出。PA外左でのFKに山中がまたぎ、中川がまたぎ、最後はDF秋野央樹が大きく蹴りいれると見せかけ、相手DFの壁の横へショートパス。中川からのパスを受けたFW川島章示がシュートを放ったが、GK中村一貴の好セーブに阻まれた。昨年のクラブユース選手権以来という“必殺技”でも決めきれず、その後は東京Vに流れは傾いた。それでも後半23分、MF荒木大吾の右クロスにMF平久将土が頭で合わせて、意地の1点を返した。ここから追い上げたいところだったが、同38分には3度目の失点。1-3に突き放されると、そのまま試合は終了した。

 試合後、秋野は「ヴェルディ的には、前に負けたから今日は絶対に勝つっていう気持ちでくるとわかっていた。でも、そのプレッシャーに(自分たちが)負けてしまった」と悔しい表情。「FWに上手い選手がいるので後ろで守れれば良かったが崩されてしまった。(相手が)上手かったです」と唇を噛んだ。

(取材・文 片岡涼)
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