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ピッチに恋して by 松原渓

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ナビスコ杯・湘南対神戸
by 松原渓

ナビスコカップGL最終節、湘南ベルマーレ×ヴィッセル神戸戦に行ってきました。

平塚競技場までは湘南新宿ラインなどを乗り継ぎ、片道2時間。
ベルマーレのホームゲームは以前、まだサッカーに携わるお仕事をしていない時に一度だけ観に行ったことがありますが、それももう5年も前。当時湘南はJ2でしたが、あの時から変わらない、スコア表示する電光掲示板の古いコンクリートが懐かしく、スタジアムとベルマーレが共に歩んできた歴史を感じさせる味わいを醸し出していました。
柏や三ツ沢と作りが似た開放感のあるスタンドは、夏場のナイトゲームに合いますね♪この日の気温は夜で20℃近くあり、ゴール裏では湘南の明るい黄緑と緑のストライプが鮮やかに、涼しげに映りました。

ベルマーレ、ヴィッセル共に試合前の段階で予選敗退が決まっており、しかも湘南は田原豊選手がケガで欠場、神戸は大久保嘉人選手がいないという辛い状況。いかに選手のモチベーションをコントロールできるか、反町監督(湘南)、三浦監督(神戸)両監督の手腕が問われました。

試合は前半31分に中村祐也選手のゴールで湘南が均衡を破りますが、神戸は後半開始早々に茂木弘人の同点ゴールをきっかけに、61分、66分と立て続けに決めて引き離し、湘南は再び中村祐也選手のゴールで1点差まで詰め寄るものの、2-3でアウェイの神戸が勝利!
クリアミスや落下地点の目測ミスなど、タイトルがかかった試合では許されないような不注意なミスも何回かありましたが、その中で抜け目なくゴールを狙う茂木選手(神戸)の決定力が光りました。

ちなみに、この試合でテスト運用されたTRACAB(トラキャブ)というシステムをサッカー番組のロケで取材したのですが、チャンピオンズリーグやワールドカップなど、海外で積極的に導入され始めているというこのシステムは、選手のパス成功率や走行距離などのスタッツが試合と同時進行で分かるシステム(今までは試合終了~データが出るまでのタイムラグがあった)。

それで、この試合に関しては、意外なデータが出ました。
両チームを通じて一番走っていたのは、湘南の阿部吉朗選手で、なんと約12キロ。
中盤の選手が必然的に運動量が多くなるイメージがありましたし、データにはその傾向も表れてはいたのですが、ダントツで一番は阿部選手でした。

FWの選手にはいい意味で「サボる」時間も必要かもしれませんが、そのデータには、ベテランとして率先して走り、一番前からプレスをかけまくる、阿部選手の献身がしっかりと映し出されていました。

ただ、チームとしては、今回のナビスコカップは全敗で終わってしまい、悔いが残るところでしょう。

ケガ人が出た時の選手層には不安がありますね…。
とはいえ、やはり財政難は変わらず深刻なのでしょう。反町監督はJ1の監督の中で最も薄給(1000万円)と記事で読みましたし、今はまだ平塚競技場には大型スクリーンがなく、今季終盤戦にリース契約という形で設置されるそうですが、本来なら設置には最大10億円前後(!!)の費用がかかるそうで……改めて、J1でチームを運営していくことの大変さを感じます。

そんな中、逆境でも常に会見にユーモアを絶やさない反町監督には頑張ってほしい!と応援しているのですが……

リーグでも、2勝3分6敗で現時点では最下位。同じ昇格組のセレッソは8位。湘南は遅れをとっていますが、中断期間を挟んで、勢いを取り戻してもらいたいところです。

さて…ワールドカップ開幕がいよいよ明日に迫りました!

今大会は、一体どんな名場面を残してくれるのでしょう。
願わくば、日本の選手のスーパーゴールがその中に入ってくれることを祈ります☆

日本の初戦、カメルーン戦の予想は………
1-0で日本の勝利!

※本コラムは毎週月曜+αの更新予定です。このコラムの感想をこちらまでお寄せください。

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