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[W杯予選]スポーツ大国・オーストラリアの力

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 2月11日、日本代表はアジア地区最大のライバル・オーストラリア(以下、豪州)とW杯アジア最終予選を戦う。日産スタジアムで行われるこの一戦は、今回の最終予選の大一番。
 そこでゲキサカでは、このゲームに向けて、豪州の紹介記事をお送り致します。アジア最終予選を通じて、アジア諸国の認識を深め、サッカーをもっと楽しもう!!

[スポーツ大国・オーストラリアの力]
 豪州は世界有数のスポーツ強国であり、1896年から始まった近代五輪の全大会に参加している数少ない国だ。また、南半球で五輪が行われた唯一の国(56年メルボルン/00年シドニー)でもある。1896年の第1回アテネ五輪から2008年の北京五輪までのメダル獲得総数は世界10位の438個(金134/銀137/銅167)。計46個(金14/銀15/銅17)のメダルをさらい、金メダル獲得数では中国(51個)、アメリカ(36個)、ロシア(23個)、イギリス(19個)、ドイツ(16個)に次いで世界6位の成績を残した。
 日本からすると世界第6位というだけでも羨ましい限りだが、豪州在住の知人は言う。「豪州は人口が少ないわりには、メダル獲得率が高い。中国は13億人、アメリカは3億人、ロシアもドイツも1億人近くいるでしょう。でも豪州はたったの2000万人。これであのメダル獲得数は凄いと思う」。その言葉を受け、これらの国の人口が一律で「1億人」と仮定した際のメダル獲得数を計算してみた。すると、驚くべき数字が出てきた。
豪州の人口は約2063万人だが、人口1億人当たりで計算すると金メダル「67.9個」でダントツの1位。金メダル獲得上位10カ国の中では2位英国の「31.4個」の2倍以上となった。因みに日本は7個である。メダル獲得総数でも人口1億人当たりでは「223個」と、これもダントツの1位。2位英国の「77.6個」を大きく引き離す数字を叩き出した(日本は「19.6個」)。何故、豪州はスポーツが強いのだろうか。
 現地の知人曰く、「豪州の人口のほとんどは移民で、古くから労働者階級が圧倒的に多い。様々な国籍の人が多く、スポーツが盛んに行われてきた。日本と比べても、生活の中にスポーツが溶け込んでいる」。豪州では古くから国をあげて積極的にスポーツ振興に力を注いでおり、政府の発表によると15歳以上の国民の70%に当たる約1100万人が週に1回以上、何らかのスポーツに取り組んでいる。「基本的にオーストラリア人は身体を動かすのが好き。昼休みの時間帯に街を歩いていると、オフィス街では上司と部下がジョギングしている風景をよく目にするし、シドニーのような大都市でも街には芝生が溢れている」。日本のように「部活」という制度がなく、スポーツをしたければ家の近くのスポーツクラブに行って、様々なスポーツや多国籍の人々に触れることができる。近年では、オーストラリアスポーツコミッション(ASC)という組織が「アクティブ・アフタースクール・コミュニティーズ(AASC)」というプログラムを実施。これは、小学校に通う児童を対象にして、15時から17時30分という放課後の時間帯に、無料で組織的な運動・スポーツに参加する場、サービスを提供するもので、政府が運営する国家プログラムである。また、日曜日には「ニッパーズ」という若年層を対象にしたライフセービング教室も開かれており、海沿いの街に住む子供は100%に近い割合で参加しているという。豪州スポーツの強さの裏には、このように、スポーツに触れ、楽しむ国民性や国の方針がありそうだ。

(文 山口雄人)

次回は、「豪州で人気のスポーツは?」をお届けします。

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