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[選手権]初出場・駒澤大高の快進撃止まる…

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[1.3 全国高校選手権3回戦 山梨学院1-0駒澤大高 フクアリ]

 涙が止まらなかった。駒澤大高(東京B)の快進撃が止まった。初出場ながら開幕戦で大津(熊本)、2回戦で星稜(石川)と名門校を撃破。前回王者にも臆することなく立ち向かったが、FK1本に泣いた。

 大津戦の後半ロスタイムにPKを止め、星稜戦でもPK戦でチームを救うセーブを見せたGK岸谷紀久(3年)はこの日もスーパーセーブを連発した。被シュートは18本。それでもMF荒木克仁(2年)の直接FKによる1失点に食い止めた。

 大野祥司監督は「キッカーが素晴らしかった。あれはうちの岸谷でも取れない。選手は責められない。よくやってくれた」とかばった。

 試合後、ロッカールームから出てきた選手は目を真っ赤に腫らしていた。岸谷は「最後は相手より走っていたし、相手よりボールを追っていた。応援もどこよりもすごかったし、チームがひとつになれたから、あの奇跡の2勝があったんだと思う」と嗚咽をもらしながら必死に言葉を続けた。「みんなが他の人のことを考えて、犠牲になれて、チームのことを一番に考える選手たちだった」。駒澤大高の挑戦は3回戦で終わった。しかし、泥臭くもチーム一丸となって戦い続けた選手たちの姿は、試合を見たすべての人たちの脳裏に焼き付いたはずだ。

[写真]試合後、号泣するGK岸谷紀久

(取材・文 西山紘平)

【特設】高校選手権2010

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