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柏を救った劇的初ゴール、19歳大津「神様っす、今」

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[4.29 J1第8節 柏2-1大分 柏]

 柏レイソルが劇的な逆転勝利で、今季リーグ戦8試合目で待望の初勝利を挙げた。興奮も絶頂だ。Jリーグ初ゴールが決勝ゴールになったFW大津祐樹(19)は「神様っす、今。今だけは神様にしてください」。1-1の後半ロスタイム、MF栗澤僚一の左CKにフリーで飛び込み、豪快なヘディングシュートを叩き込んだ。まさかのドフリー。「マークがいなかった。こんな若造、マークしなくていいって思われたのかな」と冗談交じりに笑った。

 高校生以来というヘディングでのゴール。「得意じゃないけど、気持ちが乗り移った」と胸を張る。18日の名古屋戦(1-2)では交代出場直後に頭部を強打し脳震とうで交代。U-20日本代表候補合宿も辞退するアクシデントに襲われたが、その頭を思い切り振り切っての決勝弾に「頭を打ったからかな」と笑いが止まらなかった。

 途中出場コンビが流れを変えた。大津は0-1の後半開始から出場。中盤左に入り、サイドからチャンスをつくった。後半26分にはFW北嶋秀朗がピッチに入り、同36分、DF藏川洋平の左クロスに頭で合わせ、同点ゴールを決めた。

 下がりながらの難しいヘディングシュートだったが、「あのヘディングに関しては天才的なんです。バックヘッド気味に決めるのが得意なんで」と自画自賛。得点後も急いでセンターサークルに戻り、逆転に向けチームを鼓舞した。

 「引き分けはいらないと思っていた。次の1点を取らなきゃという気持ちだった」。0-1で折り返したハーフタイムのアップ中には大津と「俺とお前でゴールを決めて勝とう」と話していたという。「有言実行ですね」と白い歯をこぼした。

 ナビスコ杯ではすでに2ゴールを決めている大津だが、リーグ戦では待望の初ゴールだった。それが決勝点になり、チームも初勝利。「うれしすぎっす。最高です。きょう眠れるかな」と笑いながらも「勝ち星がなかったので、いいときに取れてよかった。でも、ここで息を付かずに次につなげていきたい」と力を込めた。チームの危機を救った19歳。巻き返しへ、頼もしい救世主が誕生した。

(取材・文 西山紘平)

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