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山田直不在で本来のパス回しできず、フィンケ監督「痛かった」

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[5.24 J1第13節 大宮1-1浦和 埼玉]

 追いついての1-1ドローにも浦和レッズの選手の足取りは一様に重かった。フォルカー・フィンケ監督が「不幸な形で試合が始まった」と振り返ったとおり、前半8分に相手のクロスがDF坪井慶介に当たってゴールに入る不運な先制点を許すと、同20分にはDF田中マルクス闘莉王が負傷交代。前半35分にカウンターからDF細貝萌のゴールで同点に追いついても、最後まで波に乗れなかった。

 細貝は「ボールも思うように回らなかったし、課題が多く残った試合。(闘莉王が交代して)チーム全体が混乱して、思うように試合を運べなかった。後半もいい時間は少なかったし、思うようにできなかった試合」とぶ然とした表情だった。

 連戦の疲労による影響で運動量が少なかったのもあるが、ボールを回していても、意図のある崩しや連動した攻撃ができず、大宮のコンパクトな守備にボールを奪われてはカウンターを招いた。

 狭いゾーンでスペースをつくる工夫や、フリーランニングが明らかに少なかった。この日は日本代表に初選出されたMF山田直輝が累積警告で出場停止。豊富な運動量で前線をかき回すダイナモの不在の影響を、フィンケ監督も率直に認めた。「このチームの中盤の選手で、最も運動量が多く、パスコースをつくれるのが誰かは分かっているつもり。直輝がいないことが痛かったのは間違いない」と悔やんだ。

 新生レッズのパスサッカーを支えていたのは誰だったのか。山田直の出場停止という状況が、その答えを浮き彫りにする結果となった。

(取材・文 西山紘平)

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