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[高校選手権]九州対決はルーテル学院が勝利。山本が3戦連発で得点王

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[1.3 高校選手権3回戦 日章学園0-1ルーテル学院 等々力]

 九州勢同士の対決となった日章学園(宮崎)とルーテル学院(熊本)の一戦は、ルーテル学院が前半39分にエースFW山本大貴(3年)がPKを決めて1-0で8強進出を決めた。

 山本は3戦連続の5得点目で大会得点王をキープ。「PKは自信があった。GKの動きを見て決められた。3戦連発5得点で得点王? そういうのは意識してないです。一戦一戦、戦いたい」と白い歯をみせた。

 試合は序盤、日章学園がやや優位に進めた。開始5分にミドルシュートを放って勢いづけると、同15分にはMF{{仏・鷽梨仏・鷽理}(2年)がドリブルで仕掛けてシュートを放つ。しかし、ルーテル学院も運動量と体を張った守備で盛り返す。中盤での激しいプレスの応酬が続いた。

 均衡を破ったのはルーテル学院だった。後半38分、左MFの小牧成亘(2年)が左サイドからドリブルで仕掛けてPA内へ。相手のDF園田健人(3年)に後ろからユニホームを引っ張られながらも倒されなかったが、審判は園田へイエローカードを与えてPKを指示。同39分、これを主将で今大会ブレークしたFW山本大貴(3年)が利き足の左できっちりと決め、先制した。

 後半、先制点に気をよくしたのか、ルーテル学院が主導権を握った。前半は消えている時間が多かった山本も勢いを取り戻し、裏への飛び出しが増えていった。後半16分、山本が縦パスに抜け出して左足でシュート。相手守備陣にブロックされたが、リズムを作った。

 対する日章学園はハーフタイムに、早稲田一男監督がイレブンに雷を落とした。イレブンを激しく叱咤したほか、エースFW伊勢隆司(3年)には「ゴール前でちょこちょこ行かないで、もっと強くいけ!」と鼓舞。それに選手は奮起。積極的に仕掛けるべく、速いクロスとサイド攻撃で攻めようとした。

 しかし、うまくはまらない。なかなか、バイタルエリアに進入できなかった。後半29分、MF鳥原貴大(3年)に代えてMF山田貴文(2年)を投入。フレッシュな選手で攻め入る隙を探した。

 その後もルーテル学院はサイドから攻撃を作り、FW山本にパスを入れることを徹底。DFラインを脅かした。前半はチーム全体でシュートが1本だけだったが、後半は計6本を打ち込んだ。同28分には再び山本が縦パスに抜け出してシュート。ゴールネットは揺らせなかったが、“怖さ”をみせつけた。

 日章学園も奮闘を見せたが、後半シュート2本と失速。結局、ルーテル学院が1点を守りきり、1-0で勝利した。昨年は2度対戦し、1分け1敗だった相手に勝利し、小野秀二郎監督はインタビューで「選手たちをたたえたい」と涙を流した。

 準々決勝の相手は山梨学院大付(山梨)。ルーテル学院は2回戦で10得点を挙げて首都圏開催移行後の大会記録を作った神村学園(鹿児島)に、大会前の練習試合で5-1勝利した実力の持ち主。強豪のライバルを倒した勢いで、山梨学院大付も倒したいところだ。

(取材・文 近藤安弘)

特設:高校サッカー選手権2009

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