beacon

[MOM348]神村学園DF前鶴祥太主将(3年)_這い上がったチームの先導役

このエントリーをはてなブックマークに追加

[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.5 全国高校選手権鹿児島大会準決勝 神村学園 3-0 鹿児島実]

 神村学園のDF前鶴祥太主将(3年)は今年、怪我で大いに苦しんだ。JFAプリンスリーグ九州第8節の東福岡戦の接触プレーで左ももを負傷すると、思った以上に症状が重く、手術を施し、1ヵ月半もの入院生活を強いられた。チームはその間、プリンスリーグで低迷から脱することが出来ず、全国高校総体予選ではまさかの3回戦敗退という憂き目にあった。

 「友達から結果を聞いたとき、うそでしょと思った。でも本当だった。僕を含めて九州新人大会で優勝して天狗になっていたのかもしれない。それがプリンスリーグとインターハイ予選で一気にへし折られた。これでみんなの意識が変わった。僕も復帰してから、みんなとたくさん走ったし、チームとして這い上がろうと必死になりました」。怪我でのリハビリと、どん底まで落ちたチームをキャプテンとして再浮上させる両方のミッションを彼は懸命にこなした。


 そして今、チームは春先見せていた躍動感あるサッカーを取り戻しつつある。鹿児島実との試合では、まさにそれを見せ付ける格好となった。彼も積極果敢に前線に飛び出し、シュートまで持っていくプレーを披露すると、13分には貴重な先制弾を叩き込んだ。「もう気持ちは切り替わっているし、チームとしてどんどん上がってきています。なので、決勝はいい形で終わりたい」。

 決勝で勝ってこそ、どん底から這い上がったといえる。その先頭を切る彼の目は、今、鹿児島城西を倒しての選手権しか見えていない。

(取材・文 安藤隆人)

【特設】高校選手権2010

TOP