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[選手権]北海道決勝戦評:室蘭大谷-帯広北

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[高校選手権予選戦評]
室蘭大谷が2点ビハインドひっくり返す!

[10.24 全国高校選手権北海道決勝 帯広北 2-3 室蘭大谷 札幌厚別]

 第89回全国高校サッカー選手権北海道大会決勝は3年ぶり31回目の優勝を狙う室蘭大谷と9年ぶり2回目の全国進出を狙う帯広北との間で行われ、室蘭大谷が3-2で勝った。

 今夏の全国総体に出場し、帝京(東京)から勝利するなど総合力の高い室蘭大谷と攻撃的なパスサッカーを持ち味としている帯広北。ともに4-4-2システムで室蘭大谷は、腰痛を抱えていたU-18JFA選抜のエースFW安藤瑞樹が今大会初先発。一方、帯広北は練習試合ながら全国高校総体優勝の市立船橋(千葉)からハットトリックを達成しているという快足ドリブラー、2年生FW荒木一真らが先発に名を連ねた。

 伝統的にサイド攻撃を武器とする室蘭大谷はピッチを広く使う攻撃から主導権を握る。15分には相手ボールをインターセプトしたMF竹田雄大がGKと1対1となり、14分にもFW前田翔貴のパスから安藤の放った右足シュートがゴールを襲った。

 一方、帯広北は24分、1年生の10番MF北本勇人が右足を痛めて途中交代するアクシデントに見舞われたが、26分に「意外な」形から先制点を獲得する。ハーフウェーライン付近で味方からのスローインを受けた室蘭大谷MF石川勝智がGK目掛けて距離の長いバックパス。これがGKの頭上を越えてオウンゴールとなってしまう。

 DF櫛引一紀を中心に今大会3試合連続完封中だった室蘭大谷にとってはこれが大会初失点。対して帯広北はさらに31分、MF村上岳が左足PKをゴール右隅へ決めて2-0とリードを広げる。押せ押せムードの帯広北は35分にも決定機を迎えるなど、次から次へと室蘭大谷ゴールへ攻撃を仕掛けていく。

 苦しい展開となった室蘭大谷だったが、それでも後半5分、石川が左サイドから強引に仕掛けると、その折り返しにフリーで走りこんだMF山田秀之が追撃ゴール。これで息を吹き返した室蘭大谷は櫛引主将の右足ミドルなど果敢にゴールを狙い続けると12分、左SB川上量也の左クロスを大外で詰めていたMF竹田雄大が右足ダイレクトで押し込み2-2の同点に持ち込んだ。

 18分に安藤がクロスバー直撃のヘディングシュートを放つなど、勢いの止まらない室蘭大谷は22分に左ひざの怪我の影響で「30分間限定出場」のスーパーサブ、MF小玉翼を投入してさらに加速。そして31分、その小玉が左サイドでFKを獲得すると、小玉の左足から放り込まれたクロスボールのこぼれ球をエース安藤が右足でゴールへと突き刺し、ついに逆転。帯広北は荒木や司令塔MF久能洸貴らが単独突破を試みるが、抜群のポジショニングを見せる櫛引主将ら室蘭大谷の堅い守りを突破することができなかった。

[室蘭大谷の先発布陣]
4-4-2

   前田 安藤

竹田       山田
  
   石川 笹原

川上(2)櫛引 坂本(2)吉田

    佐藤

 
(文 吉田太郎)
【特設】高校選手権2010

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