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磐田のルーキー金園がリーグ戦初先発でゴール、「“なにくそ”という思いがあった」

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[6.15 J1第15節 柏0-3磐田 柏]

 2ゴールのエース前田も凄かったが、首位の柏撃破へジュビロ磐田を勢い付けたのは、リーグ戦初先発を果たしたFW金園英学だった。エースから「能力が高いんだから、気を使わずに好きなようにやっていいよ」とアドバスを受けたストライカーが、しっかりと結果を残した。

「初めての先発だったので、やってやろうと思っていました。得点を求められて起用されたと思うので、ゴールが取れて嬉しいです。(ゴール前で)ゴチャゴチャッとなりましたけど、左足で打つことができた」

 前半20分だった。右サイドのDF駒野友一が長めのクロスを入れてきた。ファーサイドに抜けかけたが、金園がうまく走り込んでトラップし、左足シュート。落ち着いて少し浮かせたやわらかいボールで先制ゴールを奪い取った。柏DF村上の目測誤りもあったが、柏イレブンが口々に「1点目が痛かった」と言った得点。首位を焦らせる一因となった一発だった。

「戦力が落ちると言われていたので“なにくそ”という思いがあった。直接言われた? そういうわけではないですけど、みんなそう思っていたと思う」

 気合が入っていたのは、リーグ戦初先発ということだけではなかった。ここまでナビスコ杯1試合を含めて公式戦9試合出場2得点の結果を出しているが、先発したのは前田が日本代表で不在だった5日のナビスコ杯・福岡戦のみ。この日のリーグ戦初先発もFW山崎亮平がU-22日本代表で不在となったために回ってきたものだった。周囲から聞こえてくる“雑音”……。大学屈指のストライカーとして関西大から加入。点取り屋としての意地、プライドをぶつけた。

「まだ山崎のほうがいい選手だと思う。自分はFWとして結果を出すだけです」と金園は謙虚に話したが、山崎はプロ入りこそ先輩だが、学年は同じ。負けるつもりはない。そもそも、磐田にはMF山田大記とMF小林裕紀の明大卒ルーキーコンビがレギュラーをつかんでおり、「僕も負けていられない」と言葉に力を込める。山崎は23日のクウェート戦(アウェー)以降の合流となる。ライバル不在の間にゴールを量産し、先発定着をアピールする。

[写真]金園はゴール後、大学時代からやっているゴールパフォーマンスを披露した

(取材・文 近藤安弘)

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