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唯一の光明に…浦和・梅崎が1127日ぶりのJ1ゴール

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[6.18 J1第16節 浦和1-3清水 埼玉]

 敗戦の中で唯一の光明となった。浦和レッズは0-2の後半35分に途中出場のMF梅崎司が今季初得点。08年5月17日のG大阪戦(2-3)以来、約3年ぶりのゴールで一時は1点差に追い上げた。

「一歩ずつではあるけど、自分の中で進めているかなと感じている。こういう感覚は久々なので」。梅崎の言葉にも実感がこもる。相次ぐケガに苦しんできた男にとって、ゴールの感覚は特別だった。

 09年3月に腰を手術し、長期離脱を余儀なくされると、09年11月には右ひざ前十字靭帯損傷で全治6ヵ月の重傷を負った。その後も右ひざ半月板損傷など相次ぐ負傷に見舞われ、復帰しては故障の連続だった。09年は9試合、10年はわずか2試合の出場にとどまり、今季も前節の広島戦(0-0)に後半44分から出場し、ようやく今季初出場を果たしたばかり。今季2試合目で生まれた今季初ゴールは大きな力になった。

 チームは9試合白星なし(5分4敗)と苦しい状況にあり、1127日ぶりの得点も喜び切れるわけではなかった。それでも「苦しい状況だけど、全員で戦って、一致団結することが大事だと思う。苦しいときも、どんなときも、楽しんでやろうという気持ちがある。その結果、みんなで笑えるようになれれば」と力を込める。長くつらいリハビリ生活を何度も送ってきた梅崎だからこそ、その言葉にも重みがある。

「いい選手はたくさんいるし、みんなで戦っていきたい。こういうときだからこそ、(試合に)出ていない選手が大事になる。みんなが同じ方向を向くことが大事だと思う」。これまでチームに迷惑をかけてきた分まで。必ず自分が救世主になるつもりだ。

(取材・文 西山紘平)

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