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連敗しない柏、黒星のあとは7連勝。工藤「価値ある勝ちになった」

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[8.28 J1第24節 柏3-2川崎F 柏]

 連敗はしない“レイソル神話”が継続された。前節のG大阪戦に0-2で敗れ、今季7敗目を喫した柏レイソル。しかし、負けたあとはめっぽう強い。0-2のビハインドを跳ね返して川崎Fに3-2の逆転勝ち。これで黒星のあとの試合は7連勝となった。

「2点ビハインドになって、チームは下を向きかけたけど、そういう中で点を取ることができた。気持ちにが前向きになって、自信を与えるきっかけになって良かった。負けたら上位に離されるので、“価値ある勝ち”になった」

 後半5分と同9分に失点し、川崎Fの流れとなったが、それを断ち切って反撃ムードを作ったのはFW工藤壮人だった。0-2の後半16分、左サイドからのDF橋本和からの左足クロスに飛び込んだ。少し高めのボールだったが、高く跳躍してヘディングシュート。2試合ぶりの今季4得点目で1点差に詰め寄った。これで柏も勢いに乗り、その後のFW田中順也の2得点につなげた。

 工藤はこれまで途中出場で起用されることが多かったが、この日の川崎F戦で5試合ぶりに先発復帰したFW田中順也が8月上旬に負傷離脱、またFW北嶋秀朗が負傷離脱した中で、先発争いに食い込んできた。しかし、完全には定着できず。近い世代の田中のほか、FW林陵平が先発で試されるなどしてきた。「順也が点を取っていて、刺激になっていた」という。

 若い世代による切磋琢磨が、結果的にこの日の逆転勝ちにつながった。後半28分の田中の2-2のゴールでは、MF茨田陽生が絶妙な縦パスでゴールをお膳立てした。「アシストはイメージ通りです。相手に憲剛さんがいて、一緒にやれて良かった。勉強になった」などと振り返ったが、茨田もU-22世代で、大谷秀和や栗澤僚一の先輩ボランチに食い込もうと必死で戦っている。

 大谷や栗澤、レアンドロ・ドミンゲスらの“柱”となる選手に、若い選手がうまく融合している柏。勝ち点を47に伸ばし、4位をキープした。連敗がないということは大崩れしないということで、今後、首位を走るG大阪にまだまだ喰い込むことは可能だ。眩い太陽が照り付ける真夏は終わりが近づいたが、太陽王はまだまだ沈まない。

(取材・文 近藤安弘)

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