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F東京・石川がボール蹴った! 負傷状況、日本代表への思いを激白

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 左膝前十字靭帯不全損傷、左膝外側半月板損傷のため離脱しているFC東京のMF石川直宏が4日、負傷後初めてボールを蹴った。リハビリは順調に進んでいるようで、来季への完全復活はもちろん、今季以上のさらなる“スケールアップ”を宣言した。

以下はインタビューの内容(写真)

―ボールを蹴られてましたね。
 「きょう、久々にスパイクを履いてボールを蹴りました。順調にきていますね。走るのは2週間くらい前から走ってましたね。まだ(患部に)不安定感はあるし、怖さはあるけど、それはやって乗り越えていくしかない。積み重ねとしては悪くない。順調に来ています」

―怪我した左でのキックはどうでしたか?
 「きょうは遊び程度だったけど、少しずつ、フィジカル的な要素の練習を増やしたいですね。いままでは室内での調整でしたけど、外でやれるメニューも増えてきたので、やっていきたい」

―そもそも靱帯の不全損傷とはどんな症状だったのですか?
 「靱帯は全部切れたわけではなくて、部分的に切れていた。でも、残った靱帯で、靱帯としての機能が保たれていた。サッカーをやれるくらいの機能が残っていたので、手術はしないことになった。手術しなくてもサッカーをやれる可能性があるのなら、そこに自分自身は賭けたいと思いました」

―再発は?
 「弱っている部分であることはたしかなので、いずれは切ってしまうかもしれないけど、筋トレや補強でカバーできる」

―リハビリのペースは順調?
 「全治は6-8週間くらいと言われていて(半月板の)手術が10月の下旬に終わって、1カ月ちょっとですが、順調にきています。天皇杯もなくて、今季はもう試合がないので無理をしないでペースを落としてやっているけど、もし、試合が残っていたり、もう少しシーズン中盤の怪我だったら、早いペースでやっていたかもしれない。天皇杯決勝には間に合ってた? それが残っていたら、普通のペースでリハビリしてても出られる可能性はありましたね。ですが今は、来年に向けてトレーニングしています」

―前回の膝の負傷時は肉体改造をしたが、今回は何かしていますか?
 「基本的には前と変わらず、お尻と体幹を鍛えています。とにかく怪我をしない体作りですね。前の怪我のときに(どう筋トレするかが)勉強になっているので、怪我した部分以外でもそうだし、患部も鍛えています。僕自身は、怪我する前よりもパフォーマンスを上げられるような状態で戻るのが大事だと思っているので、それを意識してやっています。自分の意地もあるので、自分にとってプラスの時間に変えたい。怪我したことはネガティブなことかもしれないけど、それ以外のところでは力をつけたい。今回もチャレンジしたい」

―年末年始のリハビリは?
「年内はそんなに休むつもりはないですね。継続的に動こうかと思う。完全に休んで、また体を起こすのではなく、少し負荷は落とすかもしれないけど、継続してトレーニングしたい」

―完全復活はいつ?
 「いまでも、まっすぐならスピードをかなり上げて走れる。ただ急いでもいけないので。来年のチームが始動するときには、全体練習に合流できるようにするつもりです」

―ファンは1月の日本代表合宿での復帰を期待している。
 「僕自身は、前に日本代表の合宿に参加して、代表に対してのモチベーションは高まっている。ただ、今考えているのは自分の思った形でプレーして、結果を出せるようにすることだけ。チームで結果が出て、代表にも選ばれると思う。ですから、チームでしっかりと結果をだすことしか考えてないですね。モチベーションとしては、もちろん代表にいきたいという気持ちはあるけど、まずはあせらず、チームの合宿や練習で結果を残していきたい」

 ボールを蹴る石川の表情はどこか楽しげで、うれしそうに見えた。まだ“助走”の段階だが、確実に復活へ向けた歩を進めている。05年には右膝の前十字靱帯損傷と外側半月板損傷で全治8カ月の重傷を負っているが、当時は筋トレなど肉体改造し、スケールアップして帰ってきた。今回も石川は“ただ復帰する”だけでなく、成長した姿でピッチに帰ってくるつもりだ。

(取材・文 近藤安弘)

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