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38度越えの熱がありながらも、即結果を出した東京V・FWジミー・フランサ

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[8.19 J2第29節 湘南 1-1 東京V BMWス]

 本来ならばスタメン出場していたはずのブラジル人ストライカーは、30分の出場にとどまった。しかし、その短い時間でしっかりと結果を出している。14日に清水から東京ヴェルディへの期限付き移籍が発表されたばかりのFWジミー・フランサのことである。後半15分にピッチに立った新助っ人は、0-1で迎えた後半31分、MF柴崎晃誠のCKを頭で合わせて同点ゴールを挙げた。この試合、公式記録上で東京Vが打ったシュートは、わずか3本だが、数少ないチャンスで勝ち点1をもたらした。

 CKを蹴った柴崎は「そんなに(CKは)蹴ったことがないけど、ジミーが上手かったです」と、新加入のブラジル人ストライカーを称賛する。ジミー・フランサ自身も「得意な形が出せた」と満足の表情を見せた。

「マークについてきた選手が裏にいたときに、うまくかわしてフリーになって決めることができました。自分の特長の一つなので、ゴールを決めることができてよかった」

 この試合、スタメンで出場するはずだったが、コンディションを崩していた。

「ちょっと問題がありましたね。昨晩から熱が出て、38度8分くらい熱があります。監督からは『先発で行くか、途中出場が良いか』と聞かれて、今日の状態を見て途中出場が良いと伝えました。結果を出せて良かったと思います」と、試合直後に点滴治療を終えたジミー・フランサは笑顔で話した。

 初めてJ2の舞台に立ったジミー・フランサは、J1との違いについて「一番はスピードが違う」と感じたことを明かした。

「スピードが違いますね。J2の方がスピードは速い感じがします。J1はもっと技術を生かして、パスをつなぐ感じですが、J2はもっと個の力を出して、スピードを使う印象です。そこに慣れるためには、練習をしっかりやるしかありませんね。東京Vには良い環境がありますし、自分たち次第ではJ1昇格を狙えると思うので、頑張って行きたいと思います」

 柴崎は、ジミー・フランサについて「ボールが収まるし、ヘッドも強い。自分たちも(ジミーがキープしてくれるから)上がることができるし、攻めのアクセントを付けられると思う」と手応えを語った。今後も、ゴールが期待されるが、ジミー・フランサは目標があることを試合後に話している。

「僕が何ゴール取るかはわからない。でも、できるだけ多く取りたいね。清水のゴトビ監督には『残りのシーズンで10点取って来い』と言って送り出してもらったんだ。そのゴール数は達成したいね。だから、あと9点は取りたい」

 4年ぶりのJ1昇格を目指すチームに加入したジミー・フランサは、高らかにゴール量産を宣言した。

(取材・文 河合拓)

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