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寿人のスーパーボレーで幕開け!!王者・広島がゼロックス杯制す

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[2.23 富士ゼロックススーパー杯 広島1-0柏 国立]

 2013シーズンの幕開けを告げる富士ゼロックススーパー杯が23日、東京・国立競技場で開催され、昨季のJ1王者・サンフレッチェ広島と天皇杯覇者の柏レイソルが対戦した。広島は前半29分、エースのFW佐藤寿人が先制点。この1点を守り抜き、1-0で競り勝った。広島のゼロックス杯制覇は08年以来、5年ぶり2回目。2013シーズン最初のタイトルを獲得した。

 広島はJ1を制した昨季からのメンバーで試合に臨んだ。今オフに浦和に移籍したDF森脇良太の位置でDF塩谷司が先発した以外は昨季の主力選手がそのまま先発に名を連ねた。
 柏は新戦力のFWクレオ、MFキム・チャンス、DF鈴木大輔が先発した。千葉に0-3で敗れた17日のちばぎんカップに続いて鈴木、DF近藤直也、DF増嶋竜也の3バックを採用。中盤ではMF谷口博之に代わり、ちばぎんカップを欠場したMF大谷秀和がスタメンでピッチに立った。
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 互いに様子を見るように静かな立ち上がりとなった試合は、両チームともになかなか決定機をつくれない。先にビッグチャンスを迎えたのは柏。前半21分、波状攻撃で広島を押し込むと、相手の中途半端なクリアをMFレアンドロ・ドミンゲスがインターセプトし、素早く縦に送る。PA内でゴールを背負って受けたFW工藤壮人が振り向きざまに左足を振り抜いたが、ゴール上に浮いてしまった。

 守備時は5バック気味に守る柏守備陣を攻めあぐねる広島だったが、エースのスーパーゴールで均衡を破った。前半29分、中盤でのパスカットからショートカウンターを仕掛け、MF青山敏弘が左サイドからクロス。DF水本裕貴が頭でそらしたボールを佐藤が倒れ込みながら左足ダイレクトボレーで捉えると、シュートは右ポストを弾いてゴールマウスに吸い込まれた。

 昨季のJリーグMVP&得点王が叩き込んだアクロバティックなスーパーボレー。勢い付く広島は前半34分、MF高萩洋次郎の横パスからオーバーラップしてきた水本が右足ミドルを狙うと、同41分にもMF清水航平が左足でミドルシュートを放つが、いずれもゴール上に外れた。

 1点ビハインドで後半に折り返した柏は徐々に攻勢を強めるが、後半3分のレアンドロのシュートも枠外。なかなか広島ゴールを脅かすまでには至らない。逆に広島は後半10分、カウンターから清水が左サイドを駆け上がり、グラウンダーのクロス。ゴール前に佐藤が猛然と走り込んだが、詰め切れなかった。同12分、MF森崎浩司の左CKがファーサイドに流れてきたボールを佐藤がオーバーヘッドキック。しっかりと枠を捉えていたが、至近距離でGK菅野孝憲がビッグセーブを見せ、2点目は許さなかった。

 流れをつかみ切れない柏は後半13分、MF茨田陽生に代えてMF栗澤僚一を投入。広島も同15分、佐藤に代わってFW石原直樹がピッチに入り、ベンチに下がった佐藤は左膝をアイシングしていた。柏は後半18分、左45度の絶好の位置でFKを獲得。レアンドロが直接狙ったが、GK西川周作が鋭い反応で弾き出した。同20分にはレアンドロの右FKに合わせた増嶋のヘディングシュートがクロスバーを直撃。セットプレーでチャンスをつくったが、あと一歩のところでゴールを割れなかった。

 劣勢の時間帯をしのいだ広島は再びボールポゼッションを高めていく。後半29分にはMF石川大徳に代えてMF山岸智を投入した。柏は同34分に2人を同時交代し、交代枠を使い切る。クレオ、MFジョルジ・ワグネルに代えてFW田中順也、DF山中亮輔を投入。そのまま田中は最前線、山中は中盤の左サイドに入った。

 何とか攻撃の糸口を見つけたい柏だったが、最後まで決め手を欠いた。広島も追加点こそ奪えなかったが、危なげなく1-0の完封勝利。2013年シーズン最初の公式戦でまず一つ目のタイトルを獲得し、J1連覇、そして27日に初戦を迎えるACL初制覇へ弾みをつけた。

(取材・文 西山紘平)

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