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[高校MOM184]桐光学園DF福森晃斗(2年)_高性能左足のCB「全て全力で」

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.17 神奈川県高校新人大会中央大会2回戦 桐光学園 9-1 有馬 桐光学園G]

 大勝した試合の中で最終ラインから桐光学園を締めたのがDF福森晃斗(2年)だった。「つらい時とかに後ろから声をかけ続けてくれた」とFW菅原慶人主将(2年)。後半怒涛の攻撃で7得点を奪ったチームに対し、背番号5は集中を切らさず最後までチームメイトを鼓舞し続けていた。

 CB高橋将吾(1年)が負傷中ということもあってこの日は本来ボランチの篠崎拓也(2年)とのコンビ。相手のショートカウンターに対してオフサイドトラップを失敗し、結果的に失点につなげてしまったことは反省材料だった。だが、名門の新しいDFリーダーは、チームが攻め続ける中で不意に喰らうカウンターにも冷静に対処していた。

 村岡中(神奈川県藤沢市)時代は司令塔として全国中学校大会ベスト8。だが、桐光学園高入学後、佐熊裕和監督の指示でDFへ転向した。中盤への未練もあったが、最終ラインに入ったことで自分の良さをより生かせるようになったという。
 「CBになって後ろに下がったことでチームのいろいろな状況が分かるようになった。前の方も楽しかったけど、後ろでみんなをサポートしている方が自分に合っていると思う」。また抜群の精度を誇る左足は、1本のロングパスで試合の状況を一変させるチームの大きな武器に。そして左足から放たれる直接FKが強豪たちのゴールも破っている。

 優勝候補筆頭として臨みながら決勝で敗れた昨年の選手権予選。砂川翔主将(3年)と最終ラインの中央でコンビ組んだ福森にとっても悔しい大会だった。「緊張してしまって声もキックも全く駄目だった」と首を振る。だからこそ最終学年である今年への思いは強い。「昨年は(前主将の)砂川君に頼ってしまっていた。今年は自分で盛り上げていかないといけない。(敗戦から)少しでもサボってしまってきたことを改善しようとしてきている。今年はとにかく『全て全力』でやります」。元全国8強司令塔のCBは今年、全力で声を出し、全力で身体を張り、全力でチームを勝利へと導く。

(取材・文 吉田太郎)

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