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[高校MOM204]神村学園FW福島遼(2年)_大舞台で3発

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.15 高校九州新人大会 神村学園 4-1 鹿児島城西]

 鹿児島城西との新人戦県予選決勝。神村学園FW福島遼(2年)はピッチに立つことなく、チームの敗戦を見届けた。竹元真樹監督から「身体能力が高くて、期待している選手」という評価をもらいながら、新人戦では「なぜか緊張してなかなか自分のプレーが出来なかった。自信をなくしていました」と、不調に陥り、ピッチから遠ざかった。彼は何とか本来の自分を取り戻すために、今大会を復活のきっかけにする意気込みで臨んだ。

 その意気込みは最高の形で結果を生み出した。グループリーグ、そして準決勝までは勝ちあがるチームの勢いとは裏腹に、波に乗れないときが続いたが、県内のライバルとの決戦で、一気に爆発した。21分、小柄ながら「ボールの落下点が分かるので、タイミングとバネを生かせる」と自信を持つヘッドで先制点をたたき出すと、「得意の形で点が取れたので、今日はいけると思った」ことで、福島は一気に吹っ切れた。

 圧巻は2-0で迎えた後半24分。左SB山田真大(2年)がボールを持った瞬間、「あいつは中に切れ込んでくると思った」と察した福島は、裏へ飛び出す振りをしてCBをけん制すると、その場でステイし、カットインしてきた山田にもう一枚のCBが食いついた瞬間、一気にCBの間に出来たギャップに猛ダッシュ。山田からの絶妙なタイミングのクサビを、トップスピードに乗った状態でワンタッチでコントロールすると、冷静にGKとの1対1を沈めた。

 もう彼の勢いは止められない。27分にはまたも得意のヘッドで技ありゴールを決め、ハットトリック達成。決勝の舞台で大仕事を成し遂げ、チームを初優勝に導いた。「今日は今大会で一番いいプレーが出来た。これを今後につなげたい」。神村のエースストライカーの称号を手にするために。彼の勝負の1年は、この試合からスタートした。

(取材・文 安藤隆人)

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