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[高校MOM_54]前橋育英DF小山真司主将(3年)_這い上がってきた主将

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.4 全国高校総体3回戦 前橋育英 2-1 神村学園 葛城市新庄第1健民運動場]

 DFラインから一際大きな声が飛んだ。大きなジェスチャーを交え、全身で味方に指示を送る彼の左腕にはキャプテンマークが巻かれていた。「CBはいろんな選手を試して、彼で定着した」と山田耕介監督が語ったように、DF小山真司がレギュラーに定着したのは最近のことだった。

 彼は5月の関東大会にBチームのメンバーの一員として出場していた。「Bチームに落ちて焦りはあったけど、ここ(関東大会)でやっておかないといけないと大きな危機感があった」。必死でプレーした結果、関東大会での活躍が山田監督の目に留まり、再びAチームに帰ってきた。

 Aチームに上がっても、「毎試合危機感を持ってプレーした」姿がチームメイトからの信頼を集め、チーム投票でキャプテンに就任した。「キャプテンに選ばれて、もうやるしかないと。すべてにおいて責任感をもってやりたい。ウチは代表選手が多いけど、代表とか関係ない。誰か一人がぼけたり、さぼったりしたらすべてが崩壊するので、強く言うようにしている」。

 チームメイトに叱咤激励を送り続ける姿勢はこの気持ちから来ている。この試合でも屈強な対人、強烈なタックルとキックに気迫をプラスさせ、矢継ぎ早に迫りくる神村学園のFWを尽くストップ。プレーとメンタル両面でチームを牽引した。「メンタルは昨年より成長したと思う」。頼もしきキャプテンが、全国随一のタレント集団の中で大きな存在感を放っている。

(取材・文 安藤隆人)
09全国高校総体特集

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