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[全日本ユース(U-18)選手権]GL屈指の好カードはF東京U-18が逆転勝ち(G大阪ユースvs.F東京U-18)

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[9.7 高円宮杯第19回全日本ユース(U-18)選手権グループリーグ第1節 G大阪ユース 1-2 F東京U-18 西が丘]

 昨年度の日本クラブユース選手権(U-18)優勝のガンバ大阪ユース(関西2、大阪)と今年度の同大会優勝のFC東京U-18が対戦したグループリーグ屈指の好カードは、F東京U-18(関東1、大阪)が2-1で制した。

 U-16日本代表FW宇佐美貴史、昨年のU-17W杯日本代表のFW大塚翔平ら強力な攻撃陣を擁するG大阪ユースは今年のプリンスリーグ関西でダントツトップの27得点(7試合)をマーク。一方、MF岩渕良太を中心とするF東京U-18もプリンスリーグ関東で最も多い33得点(11試合)という得点力の高い両チームが激突した試合は、シュート数18-2というよもやの試合展開となった。
 ともに4-4-2の布陣を敷いて始まった試合は、ショートパスがかみ合わずミドルレンジのパスを多用するG大阪ユースに対し、F東京U-18は右MFの山浦公裕の正確なクロスボールからチャンスを作っていく。30分過ぎには山浦の右クロスから日本クラブユース選手権得点王のFW重松健太郎が右足シュート。直後にも相手パスをインターセプトしたDF畑尾大翔からのパスをPAやや外で受けた山浦が、ダイレクトでのスルーパスをゴール前へ送った。
 F東京が試合を支配する時間が続いていたが、G大阪ユースは前半終了間際、1チャンスをものにして先制する。41分、G大阪ユースは左サイドを左SB岡崎建哉と大塚のワンツーで打開。大塚からの完ぺきなスルーパスを受けた岡崎が右足アウトサイドでゴールへと流し込んだ。
 先制されたF東京は後半開始から右のサイドアタッカー・山崎侑輝を投入。「どんどん勝負しよう」という倉又寿雄監督からのメッセージを送られたドリブラーの登場で試合の流れはまたもやF東京U-18へ傾いた。ボールを持てば繰り返し勝負を仕掛ける山崎が3度、4度と右サイドを打開。G大阪ユースはカウンターからサイドをえぐる場面こそ作るものの、ほぼ完全に守勢に立たされた。
 攻め込みながらもゴール前で阻まれる展開が続いていたF東京U-18は、後半13分にコンディションを落として先発から外れていたストライカー・FW山村佑樹を投入。その山村が起用に応える。16分、F東京U-18は相手の右スローインを奪取し、中央へボールを動かす。そして岩渕からのパスを受けた山村が左足を振り抜くと貴重な同点ゴールとなった。
 G大阪は大塚、宇佐美のパスから途中出場のMF大森晃太郎をDFの裏へ走らせるなど勝ち越し点を取りに行ったが、シュートにまで持ち込めない。それどころかこの日の第1試合の広島ユース同様、足を攣らせる選手が多発。交代枠を使い切った後にGKの森廣泰彦まで足を攣らせるなど、体力を使い果たしたかのように運動量が急低下してしまう。対して「このチームはみんな走れる。行けると思っていた」と倉又監督が自信を見せたF東京は運動量で相手を圧倒し、容赦なくシュート、クロスを放っていった。
 そして39分だ。F東京は山崎の右クロスをファーサイドのFW三田尚央が相手ディフェンスの壁に競り勝って中央へ折り返す。このボールをDF阿部巧が左足で豪快にたたき込み、ついにF東京が勝ち越した。後半のシュート数はF東京U-18の10-0。フィジカルで上回ったF東京U-18は中盤での厳しい守備など激しいプレッシャーも最後まで緩めず、強豪対決を会心の逆転勝ちで制した。

<写真>後半39分、F東京U-18 DF阿部が左足で決勝ゴールを決める
(取材・文 吉田太郎)

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