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日本vsアルゼンチン 試合後の選手コメント

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[10.8 キリンチャレンジ杯 日本1-0アルゼンチン 埼玉]

 日本代表は8日、埼玉スタジアムでアルゼンチン代表と対戦。アルベルト・ザッケローニ監督の初陣となった一戦は前半19分にFW岡崎慎司(清水)のゴールで先制し、前半を1-0で折り返すと、後半もアルゼンチンの反撃を粘り強く跳ね返し、1-0で逃げ切った。
以下、試合後の選手コメント

●FW岡崎慎司(清水)
「何回かいい形で抜け出すことができた。そこが自分の生きる道。守備をしっかりしながら、出ていくところで出ていけばチャンスになった。そこは収穫だと思う」
―攻撃陣の4人の関係は?
「個人で打開できたり、タメができたり、みんなうまくなってるなというのは感じている。でも、僕はそういうタイプじゃない。簡単にはたいて裏に抜けて。逆に違うタイプだからこそ、アピールできることもあると思う。代表に来れば刺激を受けるし、テベスはあこがれの選手だった。当たりに行って、強いなと感じたし、アルゼンチンの強さの一部を見ることができたのはよかった」
―ゴールシーンは?
「あれは常に狙っている。ゴールにつながってよかった」
―アルゼンチンの印象は?
「ボールを取られないし、うまいなと思った。でも本気じゃないと思う。アウェーじゃないし、本当の強さは分からないけど、肌で感じられたのはよかった」
―縦に早い攻撃を意識していた?
「モリ(森本)がもらってキープして、逆サイドに展開したり、僕が中に入ってウッチー(内田)がフリーになるところもあった。コンパクトな守備ができていたので、ボールを持たれていても、相手に回させているところも多かった。中央で取ってカウンターという形もつくれた」

●FW森本貴幸(カターニア)
「前の試合と同じように、(香川)真司と本田クンとオカちゃん(岡崎)と効率良く動いて展開できていた。カウンターとか、いい攻撃もできていた。試合に勝てて本当によかった」
―早い攻撃が多かったが?
「相手がアルゼンチンで、自然と守る時間が長い展開だった。自然とそういう攻撃になったのかなと思う」
―自分のプレーについては?
「点が取れなくて、それは悔しいけど、やっぱり試合は楽しいし、やっている最中も楽しかった。点を取りたかったけど、それ以外の部分は楽しかった」
―本田圭が攻撃の中心という感じだったが?
「自然とそこにボールが集まるし、彼が起点になる」

●FW香川真司(ドルトムント)
―アルゼンチンとやってみて印象は?
「本気じゃなかったと思うけど、やっぱり球際とかは強かったし、スライディングも勢いがあった。本気じゃないというのは、簡単なミスがあったりしていたところで、そう思った。メッシもケガ明けだったし」
―前半に2度切り返してシュートできなかった場面があったが?
「1回切り返したところで打たないといけなかった。それは課題でもある。ちょっとずつ意識を変えていかないといけないし、あそこで打ち切れる選手にならないと」
―前線の守備の決まり事はどれくらいできた?
「守備はうまく連動してできたと思う。サイドに出させるのがうまくできたし、ブロックをつくっていれば、ある程度はいけるのかなと」
―守備をした上で、攻撃もできたということ?
「それは良かったと思う。でもいい攻撃のときはあったけど、取ったあとにミスがあった。そこは精度を高めていかないといけない。あと一歩抜けたら効果的なのだが、そこで取られたり、パスミスをしたり。そこは詰めていかないといけない」
―新監督の初戦に勝利したことは?
「結果として勝てたことは良かった。チームとして時間がない中、守備に時間を割いて、連動した守備や、時には前からいく守備もできた」
―本田圭との距離感もよかった。
「特に意識はしなかったが、良かったと思う。ハーフタイムに話していたのは、(本田圭が)ゴール前になったら、俺は信じて走るから見てくれと言われた」
―攻撃面についての反省は?
「今日は縦に速かったので、中に入る時間がなかった。もっと回して、ポジションを変えながらやりたかったのだけど、縦に速くて、ポジションチェンジの時間がなかった」
―ドイツでやっていることによる自信は?
「バイエルンとかともやったので、怖さがなかった。いつも通りに試合に入れた」
―メッシはどうだった?
「やっぱ、速い。取られないし、あんなにブロックしている中で中央突破してくるのだから恐ろしい。一瞬の速さ、チョンチョンとした動きが速かった。(プレスに)行くとワンツーをされるし、行かないとパスを出されるし。でもあれでトップコンディションじゃない。バルサならもっと凄いんだろうなと思った」

●FW前田遼一(磐田)
―いいプレーがありましたね。
「点を決められなかったので……」
―どういう意識で試合に入った?
「点を決めて味方を楽にできればと思って入った」
―反転からのシュートなど、良さを出してアピールしたと思うが?
「点が取れていないので、そうは思わない。次は長く出られるように、練習から頑張りたい」

●FW関口訓充(仙台)
―初陣でデビューを果たした。緊張は?
「超満員の中でプレーする機会はなかなかないので、サッカー選手としてうれしかった。アルゼンチンは個々の力が凄いので、しっかりとブロックを作って守ろうとした。しっかりゼロで守れてよかったです。緊張はしましたけど、だれもが通る道。これを経験して次に行かないといけない」
―足が震えるとかはなかったか?
「緊張はしましたけど、おどおどするとかはなかった」
―指示は?
「DFのところで、サイドでブロックをつくって守ろうと。相手は個々のレベルが高いので、ブロックを作って守備に重点を置いた。守りはよかったと思う」
―課題は?
「守備のところは出来たけど、仕掛けるところで、自分で仕掛けていけなかった。まだ初戦なんで、この経験を生かしたいと思う」
―チケットを取ろうと思った試合で、代表デビュー。
「メッシと同じピッチに立てた。体の使い方とか緩急のつけ方とか上手いし、速い。テレビで見て分かっていたけど、ピッチで見れて勉強になった」

●MF長谷部誠(ボルフスブルク)
「最初の試合に勝てたのはうれしいし、監督がこの4、5日で詰め込んでやってきた内容を少しはできたんじゃないかなと思う。そういう意味ではよかった」
―真ん中を空けずに周囲の選手がカバーに入った。
「僕らはアルゼンチンみたいにひとりの選手に頼るサッカーじゃない。全員守備、全員攻撃と言われている。なるべくサイドに出させて、チームで連動して守備をするというのを合宿で徹底してやってきたし、それを多少なりとも出せたかなと思う。メッシはひとりじゃ止められないなと思っていたし、2人でいっても難しい。でも最後のところで体を張って守っていたし、そうすれば最後はやられないなと。監督には練習でも『技術は高いし、パスをつなぐのは世界でも一流だけど、ゴールに向かう姿勢が少ない』と言われていた。ボールを持ったら早く前にパスを出すというのを意識してやったし、取ってからの形で何度かうまくいった」
―得点シーンも思い切りのいいミドルシュートからだった。
「手数をかけていたら相手がブロックを整えて崩せない。よかったところもあるし、まだまだなところもある」
―チームの自信になる?
「試合内容もそんなに悪くなかった。チャンスもつくれていた。でも、試合をやっていて、アルゼンチンは本気でやっているのかなという感じもした。これで満足しちゃいけない。次の韓国戦の方が間違いなく厳しい試合になる。それにも勝てたら、自信を付けていい」
―新しいやり方に手応えは?
「試合前のミーティングでも監督は『いろいろ詰め込んだけど、そればかりではなく、今までやってきたことも出してほしい』と話していた。守備はみんな頭に入れてやっていたけど、攻撃は自分たちのイマジネーションを大事にしてやっていた」
―立ち上がりはアルゼンチンのプレスに苦しんだ?
「前からプレッシャーは来たけど、そんなに連動してなかった。最終ラインから中盤とつなげば、つないでいけるなと感じていたし、そんなに圧力は感じていなかった。サイドは完全に空いていたし、メッシやテベスが守備しないなというのも分かっていた」

●MF遠藤保仁(G大阪)
―新監督の初陣で勝利をおさめて手応えは?
「やれたことはたくさんあったし、もちろん課題も出た。そこはビデオを見て修正していきたい。とにかく初戦を勝って終われたので良かった。いろいろな面でポジティブに考えられるし、次につなげていける」
―試合に入る前に監督から言われたことは?
「まず相手を恐れないということと、攻守にコンパクトにするということ。守備のときは相手にスペースを与えない。攻撃のときはテンポよくやる。そう言われた。それくらいですかね」
―アルゼンチンの印象は?
「特に前の選手は、個人も素晴らしいし、W杯で戦ったメンバーも大体いて、やりながら勉強になった。前の人たちは能力が高いとあらためて感じた」
―メッシなどは?
「テベスは1回やっているので、うまいことに対しても驚きはなかったが、メッシは感覚や間合いも難しい。飛び込めばかわされるし、行かなかったら足先でボールを出される。そのへんは独特のものがあると感じた」
―強豪に勝って、自信になった?
「次にはもちろんつながる。でも最後のほうは守備ばかりになってしまったので、もう少しボールを落ち着かせたり、ゲームをコントロールしていければ良かった」
―FKは決まっているのか?
「試合前のミーティングで、直接狙うところは僕と(本田)圭佑で、(中村)憲剛が入ってきたらそのときはまた変わるけど、という話をしていた」
―ダブルボランチの左右は、岡田ジャパンと反対だったが、意図は?
「メッシが下がってきたり、中でもらうときには、極力僕らが挟みにいったり、センターバックの前のバイタルエリアもしっかりカバーするということは言われていた。基本的に相手のマスチェラーノに圭佑が付くというのがある程度の約束事としてあって、中央から崩されたというのはそんなになかった。そのへんはうまく守れたかなと思う」
―再スタートを切ったが?
「監督が代わって、前回と合わせて3連勝できている。つねにW杯に出てくる相手だったし、いい結果だと思う。でも積み重ねが大事だし、勝っても負けても成長していかないといけない。まだこれからだけど、いいスタートを切れたのは間違いないので、みんなでさらにやっていきたい」
―ザッケローニ監督のやりたいものは見えてきた?
「まだ形には見えてきていないのでわからないけど、少しでも監督の考えるところと、自分たちの良さを出していければいい。次はまたアウェーで違った戦いになる。それはそれでしっかり対応してやっていきたいと思う」

●DF内田篤人(シャルケ04)
―完封できた。
「たぶん相手は本調子じゃなかったと思う。ミスも多かった。ただ、スペースをあまり与えなかったから、ミスをしてくれたと思う」
―真ん中をうまく固めた。
「ある程度はやられたけど、最後、うまく足が出て止められた。それは中に人が多かったからだと思う。結構、真ん中から攻めてきたし。サイドはオカちゃん(岡崎)がきっちり付いてくれた。サイド(左右MF)の選手はきつかったと思う。ま、自分の前はオカちゃんだからいいやと思って任せました(笑)」
―新戦術が機能したのか?
「向こうの攻めが中、中だったからはまった」
―課題は?
「ヤットさん(遠藤)やハセさん(長谷部)が守備をしてくれて、自分ももう少し、横とかボランチのところも見れたらよかったと思う」
―監督の求めた新しい守備戦術は?
「やり方は簡単ですよ。そんなに難しいことではないです」

●DF長友佑都(チェゼーナ)
「今までやってきたことが間違ってなかったなと感じることができた。セリエAでの経験があるから自信を持ってやれているし、あのスピード感にも慣れている。アルゼンチンの攻撃にもやれるな、変わらないレベルだなと思った」
―無失点封じた。うまく試合に入れたようだが?
「まあ、岡田さんのサッカーでやってきたことと、大きく違うわけではないので。合宿で(ザッケローニ)監督から言われたことを理解してやれたと思う」
―メッシを封じた。イライラしているようだったが?
「楽しかったですね。イライラしていましたね。にらみ付けられましたから。DFとしてはイライラさせたほうがいいので」
―メッシを封じてさらなる自信になるのでは?
「やっぱり凄かったですね。自信は付いたけど、もっと違うところでメッシとやりたい。CLとか、レベルの高い試合でやりたい。そういうところでやれるよう、自分はもっと上にいかないといけない」

●DF今野泰幸(F東京)
―うまく抑えました。
「相手がうまいのは分かっていたので、カバーし合っていこうと思っていた。相手がワイドに来ないで、中へ中へ来たのでカバーし合えた」
―スペインを4-1で下したアルゼンチンに勝ったが?
「ゼロに抑えられたというのは良かった。まずは前半の45分間をゼロで抑えようと(栗原)勇蔵と話して入った。ハーフタイムに残り45分だから、このまま90分頑張ろうと言いながらやりました。抑えられたことは自信になる」
―抑えられたのはザック監督の新戦術が機能したからなのか?サイドの守備の仕方が難しいようだったが。
「というより、アルゼンチンが全部、中へ中へ来てくれたので、的を絞りやすかった。(左FWの)テベスとかも中へ入ってきてくれた。ワイドに来られてたら分からなかった」
―レギュラー取りへ弾みがついたのでは? 次は韓国戦です。
「相手は日本のことを良くわかっている。モチベーションも違うと思う。難しい試合になる。今日の試合で良かったこと、悪かったことを整理して、また(韓国戦で)チャレンジしたい」

●DF栗原勇蔵(横浜FM)
―どういう気持ちで試合に入った?
「やられるだろうと思っていた。だから思い切って前に出て行こうと思ってやった。相手が全力でやったかどうか分からないけど、それでも勝ちは勝ちだから」
―練習していた守り方はできた? サイドの守りはどうだった?
「サイドのところは自分がつり出されないように動かした。長友が行ってくれて、自分は様子を見ながらやった」
―開始すぐ、自陣ゴール前で足を滑らせて危ないミスをした。
「詰めて来るのが速かった。取られたら確実に決められると思って。あそこで回していたら危ないと思っていたので、それで焦った」
―攻撃陣はどうだった?
「怖さはなかった。間違いなく、(4月に対戦した)セルビアのほうが強かった」

●GK川島永嗣(リールス)
「今日の試合に関してはシュートがどれだけ来てもおかしくないという想定でやっていた。前半の最初はバタバタしたけど、徐々にプレッシャーをかけて、いい守備からいい攻撃もできていた。チームがバタバタしても自分は落ち着いた対応をしようと思っていた。最初は危ないシーンもあったけど、自分が落ち着いて対応しようと。それができてよかった」
―新監督の初陣だったが?
「時間がない中で、守備と攻撃の練習をして、こういうのをやっていこうというのはあった。監督の言うことも理解するのも大事だけど、試合の中で守備のラインをどうするのか、どうコンパクトにするのかを話しながらできた。試合の中で自分たちがどう判断するかが大事。それができたと思う」
―海外組が増えたが?
「W杯が終わって、世界で勝つために、個人個人が成長していこうということで海外に多くの選手が出た。それぞれの国で感じていることもあるだろうし、代表で集まって、目に見えるプレーだけでなく、目に見えないところでうまく対応しているところもある。それがチームをいい方向に向かせていると思う」
―ケガの状態は?
「蹴ったときに違和感があった。伸びた感じはないけど、もう1試合あるし、ちょっと様子を見ようと」
―検査を受ける?
「まだ分からない」

●GK西川周作(広島)
―いきなり出番が来たが、心境は?
「来たなと思った。この試合が楽しみだったので。突然だった? こういうことが来るかもしれないと思って、準備はしていました。満員のスタジアムでプレーできて、勝利に貢献できて良かったです」
―最後、メッシのFK。冷や冷やしたのでは?
「PA前で近かったので、近いサイド(西川にとってニアの左側)は壁に任せて、自分はGKサイドに集中した。何とか壁が守ってくれたのでよかった」
―途中からの出番でしたが?
「途中から出るのは初めてだったので、いい経験ができた。サポーターと喜びを分かち合いたかったので、よかった。これからもしっかりとやって、試合に出られるように頑張りたい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子、近藤安弘)

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