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スタイルを放棄し勝負にこだわったG大阪、橋本「自信を回復させたい」

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[7.19 J1第18節 柏0-2G大阪 柏]

 ガンバ大阪がパスサッカーを放棄し、勝ち点3をつかみ取った。前半のシュート数はわずかに2。ボールを持ってもリスクを回避し、最終ラインからのロングボールで相手DFの裏を狙った。とはいえ、被シュートも前半は3本。最近の公式戦3試合で9失点を喫していた守備面を立て直し、後半8分にFWレアンドロのPKで先制すると、その後はカウンター狙いを徹底し、後半22分に狙い通りの形でレアンドロが追加点を奪った。

 DF山口智は「守備からというのは強調していたし、きょうみたいにロングボールを入れるのもひとつの手。後半はカウンター狙いという意識がみんなにあった」と振り返った。勝負に徹し、勝ちにこだわった。MF明神智和は「これまでは点を取ることに意識が行き過ぎていた」と言う。「全体でもう一度守備からやろうと話していた。全員の守備。それが勝てた要因」と力を込めた。

 昨季、アジアを制した自分たちのスタイルを捨ててまで勝たなければならない理由がG大阪にはあった。最近の公式戦9試合で1勝8敗。公式戦4連敗中のチームにはサポーターからも不満の声が噴出し、17日には西野朗監督がクラブを通じて異例の“謝罪声明”を出す事態にまで陥っていた。

 MF橋本英郎は「こういうサッカーを続けていくことが良いわけではないけど、結果が出ることで少しずつ自信も取り戻せるし、もっと思い切ったサッカーになると思う。自信をなくしている部分はあったし、それを少しでも回復できれば」と強調した。

 「勝ったのはうれしいけど、大喜びできる状況じゃない。まだこれから取り返していかないとという思い。この試合で満足することはない。ちょっとずつ返して、最後につなげたい」。山口は表情を引き締めて、そう語った。今は我慢の時期。G大阪の「超攻撃」が戻ってきたときが、本当の意味での復活になる。

<写真>G大阪MF橋本
(取材・文 西山紘平)

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