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[MOM319]横浜FMユースMF熊谷アンドリュー(2年)_U-17代表大型ボランチ「やっと自分を出せた」

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[高校サッカー マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.20 全日本ユース選手権決勝T1回戦 横浜FMユース 4-0 東京Vユース ひたちなか]

 この日4-0で鮮烈な勝利を挙げた横浜F・マリノスユースの中で印象的な活躍を見せたのは「宣言どおり」の2得点を挙げたMF松本翔ら攻撃陣だった。ただ破壊力十分の東京Vユース攻撃陣に思うような攻撃をさせなかった守備面での勝利が、4-0という快勝をもたらした。特にU-17日本代表MF熊谷アンドリューの存在感は際立っていた。

 「(受験で不在だった)保田さん(隆介、主将)が帰ってきたのがでかい。また宮本(和輝)がCB入って戦えるんで、(中盤の)自分らも前にどんどん行ける」と振り返ったように最終ラインの支えがあったのは間違いない。だが、その身体能力、判断力の高さを生かして中盤で相手アタッカー陣の前に立ちはだかり、次々と相手ボールを絡み取ったのは熊谷だった。特に前半は高い位置で相手ボールに絡み続けたことで東京Vユースは全く前へボールを運べず。一方、熊谷のインターセプトからスピーディーなパスワークを繰り出した横浜FMユースの攻撃は鋭さを増した。

 この日のターゲットはU-19日本代表MF小林祐希。「小林祐希クンをできるだけ見ようと思っていた。縦に入れてくるボールが上手くて飛び込めなかった」と首を振ったものの、この試合では手ごたえもあった。年代別の日本代表として期待も大きい大型ボランチは、16歳だった昨年末に飛び級でU-18日本代表候補合宿に招集された。だが「今年は調子がよくなかった。1年の時よりもボールが持てるようになったけれど、逆に持ちすぎるようになっていた」。それでもこの日は、試合前に見たバルセロナの映像からイメージしていたとおり、縦からサイドへテンポよく配球。存在感十分のプレーで「何もできなかった」日本クラブユース選手権(U-18)大会準決勝の雪辱勝利を果たした。

 「やっと自分を出せた」とホッとした表情を見せた熊谷。この日はセットプレーのポジション争いで相手と激しくやり合い主審から注意される場面もあったが、それは勝利への強い欲求の表れだ。昨年、1年生ボランチとして優勝に貢献したスケール大きなMFは今年、昨年以上の存在感を示してチームを連覇へ導く力となる。

(取材・文 吉田太郎)

全日本ユース2010特集
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ

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