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甲府vs湘南 試合後の監督会見要旨

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[11.21 J2第49節 甲府2-3湘南 小瀬]

 J2第49節は21日、各地で2試合を行い、小瀬スポーツ公園陸上競技場では勝ち点91で並ぶ4位ヴァンフォーレ甲府と3位湘南ベルマーレによる昇格争い直接対決が行なわれた。2-2の後半ロスタイム、湘南はMF坂本紘司が劇的な決勝点を奪い、3-2で勝利。残り2試合で甲府に勝ち点3差をつけ、最短で次節にもJ1復帰が決まる可能性が出てきた。
以下、試合後の監督会見要旨

<甲府>
安間貴義監督
「何から話していいのか分からないが、まずお礼を言いたい。多くのサポーターが選手バスを出迎えてくれて声援をいただき、素晴らしい雰囲気をつくってもらった。サポーターに感謝の気持ちを伝えたい。試合は負けたが、うちらしく最後までやっていきたい。僕が甲府に来て、選手にお願いしたことはなかったが、(試合後のロッカールームで)最後までうちらしくベストを尽くしてほしいとお願いした。今日もベストを尽くしたにもかかわらず、負けてしまい、打ちのめされると思うが、最後まであきらめない甲府らしさを出してやっていきたい。サポーター、スポンサーの皆さんの声は痛いほど届いている。そういう方々のためにも2連勝して、最後までもつれさせたい」

―最後は警戒していたセットプレーでやられたが?
「タフなゲームだったのは間違いない。最初の25分間は湘南が圧力をかけてくるのは分かっていたし、途中で足が止まるのもスカウティング通りだった。セットプレーも警戒していて、それでもやられたというのは、ひとつひとつは修正できる。ただ、分かっていてもやられるというのは湘南の勝負強さが1枚うわてだったのかなと思う。ただ、選手はあきらめずベストを尽くしてくれた」

―立ち上がりの2失点でゲームプランは崩れたか?
「25分を過ぎれば相手の足が止まるのは分かっていた。2点なら大丈夫だが、3点目を取られると厳しい。その中でもう一度サイドを起点にした攻撃をやろうと。それが2点につながったと思う」

―残り2試合、監督として大事なことは?
「僕はあきらめの悪い人間なので、あきらめてない。甲府が前回、昇格したときも(3位が決まったのは)最終戦だった(その後入れ替え戦で柏に勝利)。それを思い描いてやっていきたい」

<湘南>
反町康治監督
「こんなにマイク、カメラがたくさんあって、2年前を思い出すような感じがします。どちらに転んでもおかしくない試合だったのは間違いない。ここで敗者の弁を述べていてもおかしくなかった。見応え、緊張感のある試合だったと思うが、レフェリーがコントロールが利いてないのかなと。スローインで選手がチェンジしてカードになっていたら、切りがない。コミュニケーションのツールがカードになるとかわいそう。その分、ロスタイムというのがあるのではないかと思う。西村さん(西村雄一主審)のことを言っているんじゃなくて、サッカーの本質、ルールの話。皆さんも高圧的に感じませんでしたか? そのへんがゲームを面白くなくしたと思う。ロスタイムのゴールはこれで9ゴール目ですかね。最後の最後にならないと点を取れない、前に行かない。ただ、最後の笛が鳴るまで湘南のサッカーをしようと話していたし、それが奏功したのかなと思う。一番怖いのはメディアに昇格が決まったかのように報道されて、選手の気が抜けること。“湘南はまだまだ力不足で弱小チームだ”と書いておいてください」

―残り2試合に向けては?
「こんなにたくさんカードが出たが、リーチのやつに出なくて、首の皮が1枚つながったのかな。ベストメンバーという言い方はおかしいかもしれないが、今日出たメンバーでそのままできるのはメリットがある。次は日曜の試合なので、2日間オフを与えて、リフレッシュして、ホームで湘南らしいサッカーをするだけ」

―勝因は?
「6、7割は向こうに転んでいてもおかしくなかった。試合展開、スタジアムの雰囲気、レフェリーの判断は向こうを押していた。その中で点が取れたのは、前にかける人数を増やしたからだと思う。甲府とうちでは中盤の選手の得点数が大きく違う。分厚い攻撃でペナルティエリアに入っている人数が多かったのは我々の方。そこが明暗を分けたのかなと思う。あとはレフェリーがあちらに傾いていた分、サッカーの神様がこちらにほほ笑んでくれたのかもしれない」

―いよいよJ1という気持ちは出てきたか?
「ノーコメント。ここまでやってきて、次の試合が特別になるわけではない。いい試合をして、勝ち点3を取ることだけを考えてやりたい。経験という意味では甲府の方が上だった。入れ替え戦もやっているし、ギリギリの戦いを経験している。こっちは10年ぐらい中位にいて、最後の2、3試合はずっと消化試合になっていた。ここまで残っていることに感謝しているし、マラソンでもトラックに入ってからが勝負。選手にはこの1、2週間マイクを向けられて話した言葉を口先だけでなく、ピッチで表現してくれと話していた。今日の試合で特別、スーパーマンになるわけじゃない。練習したことに忠実に、エネルギッシュで、生き生きと戦おうと話していた」

―野澤が非常に良かったと思うが?
「PKを止めてくれれば、もっと格好良かったけど。ここまで来たらやるしかない。本人も分かってるでしょう。良かったと思います」

―新潟を昇格させた経験をもとに、残り2試合で大事なことは?
「新潟を昇格させた、のではなく、新潟が昇格した。自分の力ではなく、選手を中心にいろんな人がやった結果。そういうスタンスで、選手がピッチで思い切り暴れまわる環境をつくること。そうすれば良い方向に向くと思う」

(取材・文 西山紘平)

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