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F東京、19歳コンビが「起爆剤」に

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[3.29 ナビスコ杯Bグループ第2節 F東京 1-0 神戸 味スタ]

 19歳コンビが今季4戦1勝と苦しむFC東京復調への起爆剤となった。この日は下部組織出身で2年目のDF椋原健太とMF大竹洋平の19歳コンビがそろって今季初先発。右SBを努めた椋原が完封勝利に貢献すれば、大竹は後半14分に左足で決勝ゴールを決め、今季のナビスコ杯初勝利をもたらした。

 リーグ戦は3試合目の山形戦(21日)で初勝利をマークしたものの、ナビスコ杯初戦の柏戦(25日)では再び1-3で敗戦。「今季の目標はタイトル獲得」を公言しているF東京だが、波に乗れないままこの日を迎えていた。ただ、「チームの起爆剤になってやろう」と誓った19歳コンビが前半から気合十分のプレーを見せる。その中で攻撃面での活躍を期待をされて先発した大竹は、守備に追われて前半は全く思い通りのプレーができず。気持ちが空回りし、チームはシュートゼロでハーフタイムを迎えるなど「最悪でした」と振り返る。
 だが、大竹は後半14分、カボレのポストプレーから強烈な左足シュートをゴールに突き刺し、ヒーローとなった。「前半何もやっていないのでゴールでチャラみたいなもの」と苦笑したが、チームにとっては大きな一撃。特に椋原は「(大竹)洋平が決めたので、自分はゼロに抑えなければと思った」とアグレッシブに前へ出る守備で奮闘し、相手をノーゴールに封じ込んだ。
 椋原は、前日(28日)のW杯アジア最終予選バーレーン戦に出場したDF長友佑都がこの日欠場したことなどにより先発出場。そのチャンスで見せた好プレーに「次は(長友)佑都クンが帰ってくるけど、(長友がいなくても)自分はいい準備をしているゾというところを見せられたと思う」と胸を張った。
 「自分がいいプレーしても負けたら意味がない。勝ったことが良かった。(自分が出れば負けないという)ジンクスを守ることができた」と椋原。個人としてだけでなく、チームのために必ず勝たなければならない試合で活力となり、勝ち点3獲得に貢献した。「(苦戦するチームにとって)今年1年の中ですごく重要な試合」(大竹)での勝利。若手の力で勢いづいたF東京の巻き返しがこれから始まる。

(取材・文 吉田太郎)

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