[3.29 ナビスコ杯Bグループ第2節 F東京 1-0 神戸 味スタ]

　前日28日まで日本代表合宿に参加していたFC東京MF今野泰幸がチーム再合流初日の神戸戦で先発フル出場。チームの勝ち点3獲得に大きく貢献した。
　この日はこれまでのボランチではなく、CBとしてピッチに立った今野。CBでの先発は試合前のミーティングで初めて聞いたという状況だったが、冷静に守備陣をコントロールし、相手に決定機をつくらせない。相手のロングボールを今野が確実に跳ね返すなど、ほぼミスのない守りを見せた守備陣は無失点で勝利。今野は「CBは予想外だったけど、失点しなければ勝てると思った。無失点に抑える試合がしたかった。ラインの高さとかはビデオを見ないと分からないけど、ゼロに抑えたのは大きいし、よかったと思う」と笑顔を見せた。

　前日の日本代表対バーレーン戦(埼玉)はベンチから外れ、スタンドで観戦。ただ、悔しさを口にはせず「スタンドだったが勝ててみんなで喜べた。楽しかった」。代表でのプレーはかなわなかったが、翌日にF東京の主力としての役割をきっちりとこなして勝利をもたらした。
　F東京の今季公式戦はこれで2勝3敗。「タイトル奪取」を掲げている今年だが、この日も「内容は良くなかった」と話すように全く満足はしていない。「課題を見つけながらよくして、成長していきたい」。代表から戻ってきた男はチームのさらなる成長を誓った。

(取材・文　吉田太郎)