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F東京ゲーム支配するもスコアレスドロー

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[5.9 J1第11節 FC東京0-0京都 味スタ]

 J1第11節が9日各地で行われ、味の素スタジアムではリーグ15位のFC東京が同じ勝点12で12位の京都サンガF.C.を迎えた。ゲームを優位に進めたF東京だったが、決定機にゴールを決めることができず0-0のスコアレスドローで終えた。

 F東京の布陣は4-4-2。左膝痛のFWカボレはこの日も欠場。FW平山相太が第3節以来となる今季2度目のリーグ戦先発出場を果たし、FW赤嶺真吾とともに最前線に入った。対する京都も4-4-2。前節ゴールを決めたFWパウリーニョとディエゴがトップに入った。(スタメン、布陣はコチラ)。

 序盤から主導権を握ったのはホームのF東京。ボランチのMF梶山陽平と米本拓司が両サイドの石川直宏や羽生直剛、前線の選手を絡めて丁寧にボールを回し、中盤を支配。相手DFが中央に集中してくるとすかさずサイドに散らし、サイドに開き気味になると中央から打開を図った。前半13分には石川の右FKから平山が打点の高いヘディングシュート。同15分には平山のスルーパスに、左サイドから走り込んだ長友佑都がDFを振り切りフィニッシュ。18分にはゴール前で辛抱強くつなぎ最後は梶山がシュートを蹴り込んだ。これはGK水谷雄一がファンブルしたが、そこに詰めている選手はおらずクリアされた。その後も石川が右サイドから立て続けに好クロスを入れたが、なかなか決定機を作れない我慢の時間が続いた。

 対する京都はボール支配の面では劣勢となるが、迫力あるカウンターで応戦。前半20分、MF林丈統が左サイドからDF2人を引きずりながら切れ味鋭いドリブルでPAに突進。同22分にはゴール前のルーズボールをディエゴがフィニッシュ。前線でマークが集中するディエゴが、中盤から前線の広い範囲を流動的に動きまわり攻撃の起点を作った。縦パスが入ればポストプレーから空いてるスペースに配球。展開が煮詰まれば両ワイドの林や渡邉大剛に散らし、パウリーニョら周りの選手を効果的に使った。

 前半30分過ぎは完全にF東京の時間帯。理想的な展開で何度も決定機を作った。同33分、平山がドリブルでタメを作ると、DFブルーノ・クアドロスが平山の横をオーバーラップ。ブルーノの動きをおとりにして平山が赤嶺に送ると、フリーの赤嶺がワントラップして技ありのループシュート。35分には、PA左の平山からパスを受けたフリーの羽生がフィニッシュ。38分にも、右サイドのDF徳永悠平がゴール前のスペースに早いパスを入れると、そこに飛び込んだ石川が左足でフィニッシュ。しかし、いずれもあと一歩のところで精度を欠き、0-0のまま前半を終えた。

 後半は攻守の切り替えが早い一進一退の攻防が続く。先に動いたのは、ハーフタイムに「このままパスを繋げていこう」と指示を出したF東京の城福浩監督。後半14分に羽生をMF大竹洋平に、同22分には赤嶺をMF鈴木達也に交代。その直後の24分、入りたての鈴木が魅せた。右サイドからクロスを上げ平山のヘディングシュートに合わせると、31分にはドリブルで攻め上がりゴール左隅狙いの際どいシュートで京都を強襲した。同29分には石川をFW近藤祐介にかえ3枚目のカードを切った。

 一方、「バランスを保ちつつ攻撃時はもっと仕掛けるように」と指示を飛ばした京都の加藤久監督は、17分に林をDF中谷勇介にかえ、29分にはパウリーニョをFW金成勇に交代。流れをかえに出た。しかし相手の激しいプレスの前に、流れからチャンスを作れない。またセットプレーからは直接ゴールを狙う場面もあったが決め切ることは出来ず、結局スコアレスドローで試合終了。

 90分を通して終始ゲームを優位に進めていたF東京だったが、最後までチャンスで決め切れず、前節・サンフレッチェ広島戦同様に無得点。両者ともGWの5連戦を勝利で締めくくる事はできなかった。

<写真>ドリブル突破を図るF東京FW平山(13番)
(取材・文 山口雄人)

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