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[戦評]最低限の結果は残した欧州王者

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[6.17 コンフェデ杯A組GL第2戦 スペイン1-0イラク ブルームフォンテーン]

田村修一の「視点」

 南アフリカで開催されている09年コンフェデレージョンズ杯は各地で2回戦を迎え、B組ではスペインがイラクを1-0で破り、最終戦を残して早くもGL突破を決めた。

 戦前に優勢を予想されたスペインだったが、思いのほかイラクの強固な守備ブロックに苦戦。5-4-1システムを敷くイラクの守備陣形は容易に崩れなかった。この試合はどちらかというと、MFアンドレス・イニエスタ不在時のスペインの弱点を浮き彫りにするような内容で、運動量とテクニックに秀でた同選手の存在の大きさを改めて証明したようなものだった。
 結局、後半に入っても選手を入れ替えるだけで具体的な打開策を見い出せないスペインだったが、サイドからのクロスをFWダビド・ビジャが合わせて得点。1-0の辛勝を収めた。

 ボラ・ミルティノビッチ監督の指揮の下、強力な守備ブロックを形成したイラクだったが、失点をしてからも無理に同点ゴールを目指さずに、得失点差を考えて試合をそのまま終わらせた。同監督も試合後に「満足ではないけどハッピー」と語ったように半ば計算通りの結果だったのだろう。ただし、この時点で自力でのGL突破は消滅。決勝トーナメント進出へ可能性を残したにすぎないと見るのが妥当だろう。

 さて、早々に決勝トーナメント進出を決めたスペインは、南アフリカとの第3戦は消化試合のため主力を休ませることができる。決勝トーナメントではブラジルかイタリアと当たるのが濃厚なので、そこからが本番といえるだろう。そういう意味では悪い内容ながら勝利を収めることができたのは、大会を勝ち抜く上でも大きかったといえるのではないか。

(取材 フットボールアナリスト田村修一)

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